青の祓魔師 夢
□夏祭り
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「なまえ、
「ナツマツリ」ってなんですか?」
「え、」
というわけで、夏祭りを知らないアマイモンさんと一緒に、毎年夏恒例のお祭りに行きたいと思います
「なまえ、迎えに来ました」
寮の自室、窓から声がすると思ったら、アマイモンさんが窓から私の部屋へ入るとこでした
「わっ、もうですか、ちょ、ちょっと待っててください、私まだ着替えて無くて・・・」
クローゼットから、浴衣を取り出そうと
手を伸ばしました
すると、いつの間にかアマイモンさんは私の横にすっと立っていました
「じゃあ、着替えるところ、見てます」
「だ、駄目です、見ないでくださいよ!!」
「そうですか、残念です」
少しへこんでいるのか肩を落としていました
へこんでても、見せられない物は見せられないです
*
すこしだけ、アマイモンさんには外に出ててもらいました
数分後に、私は私服から浴衣へ着替え終わりました
「アマイモンさーん、入っても良いですよー」
「ハイ、もう入ってます」
「わっ、アマイモンさん早いですね」
窓に向かって声を掛けると、まだ外にいたはずのアマイモンさんは部屋の中にいました
「なまえと夏祭りに早く行きたいので、行きましょう」
アマイモンさんの細い腕が私の身体をひょいと持ち上げました
今の状態は俗に言う、お姫様だっことなる物でしょうか
「捕まっててください、なまえ」
「は、はい」
私はアマイモンさんと一緒に窓から風船のようにふわっと飛び立ちました
私は初めての空での浮遊感を感じて恐怖のあまり、アマイモンさんの首にがっちりと腕を絡ませ自分の身体を固定していました
「そんなに力入れなくても、僕は何があってもなまえを落とすことはないですよ」
「はい、でも、怖くてっ、ひゃあぁあっ」
建物の屋根から屋根へと、アマイモンさんはウサギのように跳ねます
数分間アマイモンさんの腕の中で揺れながら、私達はお祭り会場へ着きました
「つきましたよ、なまえ」
「はぁ、はぁあ・・・怖かった」
「そんなに怖かったんですか?」
「だって、あんなに高い空、初めてで・・・」
「・・・」
アマイモンさんは黙り込んだかと思うと、急に私を抱き寄せました
「わ、わぁっ、アマイモンさん?」
「淑女が怖い時はこうすると落ち着くって、兄上が言ってました」
「そうなんですか、・・・そうですね、アマイモンさんに抱きしめられると、とても安心します」
「・・・そうですか」
周りは太鼓と笛の音が鳴っている中
私の耳にはアマイモンさんの息づかいと私の心臓の鼓動しか聞こえませんでした