まぜまぜ日和
□たったの二日間でも長い
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金曜日の放課後---
「なまえ帰ろう」
「・・・うん」
今日の放課後は憂鬱だ。
確かに私の大好きな鬼男君と一緒に居れるのはうれしい。
でも、この土曜日と日曜日に会えないだなんて!!
「帰りたくないなあ・・・」
「なんで?」
「だって、鬼男君と会えないじゃん・・・」
「しょうがないだろう。
明日と明後日は部活の大会があって会えないんだから。」
そうだけど
明後日は私の誕生日なのに会えないだなんて
やっぱり寂しいものは寂しいよ。
土曜日---
「・・・暇だなあ」
いつも、休みだったら鬼男君とどっか出掛けてるのに・・・
畜生、こりゃ先生のせいだな
自分のカバンから携帯をとりだし、二つ折りのものをぱかっと開いた。
「大会・・・がんばって・・・ね・・・
っと。
送信!」
電子音が携帯から鳴った。
「ふぅ・・・。」
ぱたんと音がして、携帯がしまった。
日曜日--
「今日は何しようかなあ。」
机に頭をくっつけてテレビが見えるように視線をテレビへと向けた。
リモコンの柔らかいボタンを押すと、ピッと音がした。
液晶画面からは笑い声が聞こえる。
「おもしろいのやってないなあ・・・」
夜--
ピンポーン
「はーい」
地面に座っていた足をがんばって立たせて、音の鳴ったドアへと向かったる
「あー、すみません。何もかも間に合ってるんで・・・
! 鬼男君・・・?」
「なまえ・・・誕生日・・・おめでとう・・・」
ぎゅっ
急に鬼男君の腕が私を包んだ。
走ってきたのだろうか、息が荒く肩が上下に動いている。
「お、鬼男君?!どうして・・・今日は遅くまで続くって・・・」
「早く終わったから、近くの雑貨屋で買ってきた。」
手には、小さいピンクの箱が握られていた。
それを受け取ってあけてみた。
「ありがとう・・・」
目から涙があふれた。
箱の中身は、指輪だった。
「なまえ、結婚してくれませんか?」