まぜまぜ日和

□触れたい
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手を伸ばしてみる

貴方に触れたくて

でも触れられない


怖いから 届かないかもしれない 掴めないかもしれない 嫌がられるかもしれない

いろんなモノが横切って



私の手を貴方に近づけまいと邪魔をする




触れたい













今日も挑戦する



「・・・」


「あ、そうだ」
と言いながら貴方は振り向いた


「わっ」
「・・・?なまえ 何やってるんですか?」
「妹子・・・い、いやなんでも・・・」



危ない こんな所を見られては不審に思われる



なんかストーカーみたい・・・




「って、なまえに用があったんですよ」
「え?私?」
「なまえは貴方しかいないでしょう」

まあ、同じ名前の人はここにはいないけど・・・


「今日、ある人にプレゼントしたいんですけど・・・・
 買い物に付き合ってくれませんか?」


ある人?って誰だ?

「ある人って誰?」
「あ、ええっと・・・、教えられません」
「なんで?」
「え、それは、その・・・」

戸惑ってる そんなに言いたくないってことは 好きな人とか・・・なのかな?

「好きな人・・・?」
「うぇ?! ああ、まあそう・・・です///」
「それなら尚更気になる 教えて」
「え、い、嫌ですよ」
「お願い!誰にも言わないから!」
「・・・買い物が終わったら言います」

やった!これで妹子の好きな人が聞ける!


って良くない も、もしだけど私だとしたら嬉しいけど

違う人だったら・・・


あああああああ、私の馬鹿!!!


「やっぱ聞かない」
「どっちですか!」

だって・・・


「あ、その、今日・・・その人に
 告白しようと思ってるんですけど
 なんて言ったら喜ばれますかね?」
「・・・普通に好きでいいんじゃないの?」
「・・・適当に言ってませんよね?」
「・・・」
「適当ですか・・・」
「ま、とにかく買い物行こうよ」












「あ、このキーホルダー可愛い!
 あ、これもこれも!!」
「女の子はそういうのが好きなんですか?」
「え、んーただ私が好きなだけだからな」

「あ!このコップ良い!!これペアだ!」
「そうですか、じゃ、買います」
「え?!なんで」
「・・・僕の好きな人もそういうのが好きそうなので」
「ふーん」

すごいな妹子は
まだ相手も妹子のことが好きって決まってる訳じゃないのに
ペアのコップ買ってる



私は・・・

何にも出来てない







「妹子・・・」
「はい?」


なぜか無性に妹子に触れたくて
裾をつかんだ


「今日、その好きな子に告白する前にちょっと話しがあるから・・・いい?」
「え、あ、全然良いですよ」
「ありがとう」

































「で、話しって?」
「ん、んと・・・」

恥ずかしい言いにくい・・・



いや、だめだだめだ






私だって
















「好きなの、妹子が!」




「え・・・?」




「僕を・・・?」
「うん、妹子以外に誰もいないよ」




「そうですか・・・」








え、俯いてる



だめ・・・?










「はい、これ」
「!」



妹子の手にはさっき買ったコップが乗っていた



「ぼくも、なまえが好きです
 大好きです!」




「ふふ・・・」
「はは・・・」








触れたい







この気持ちは二人とも同じだね

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