海のような君へ

□いてくれた
1ページ/3ページ


動力室からあふれた光で、幼年期に戻っていたデジモン達が成長期に進化した。

「なにあれ……」

「あんなデジモン見たことないわ」

「新しいアーマー進化なんでしょうか?」

「でも、受け継ぐ紋章はもうないはずだよ」

「いつもと違う、なにか特別な新かなのかもしれない」

私たちは動力室で、光を纏っているマグナモンを見つめていた。

その時、動力室の下の方で、何かがぶつかったような音が聞こえた。

「闇の力が……!!」

「キメラモンが……戻ってきた……」

キメラモンはマグナモンに向かって襲ってきた。

「……デジモンカイザーの所に行こう、みんな」

私の言葉に皆が頷き、デジモンカイザーの所に向かう。

階段を走っていると、後ろから大輔君の声が消えこた。

立ち止まると、後ろから大輔君がやってきた。

「大輔君!!」

大輔君が走った直後、壁からキメラモンの肘が貫通しきてた。

マグナモンが戦ってくれている証拠だ。

「もう時間がないわ。
要塞がゆっくりと降下して行ってる!!」

「急がんとカイザーの奴、逃げてまうがや」

「よし、行こう!!」

私たちはカイザーがいる所に走って向かう。

ーーーーーっ!!

誰かが何かを怒鳴っている声が聞こえた。

「この声は……デジモンカイザーだ!!!」

近くにいると分かり、私たちは先を急ぐ。

すると、デジモンカイザーがパートナーであるワームモンを蹴り飛ばしていた。

「これはゲームなんだ!!
最後に勝つのはこの僕なんだ!!!」

「まだそんなこと言ってんのか!!」

大輔君の言葉に、私たちの存在に気づき、見下すような視線を私たちに向けた。

「ボクが作ったキメラモンはお前達なんかに負けるものか」

「ゲームに勝つとか負けるとか、誰もそんなこと聞いてねぇんだよ!!!」

「だいたいデジモンを作るって何!?
そんなことしてもいいと思ってんの!?」

「いろいろなデジモンのデータを寄せ集めて僕のデジモンだって喜ぶなんて、馬鹿です。
デジモンはおもちゃなんかじゃないんだ!!!」

「このデジモン達をよく見るんだ!!!」

タケル君が、後ろからデジモンカイザーを睨んでいるデジモン達を見るように言った。

「デジモンには命があるんだ、生きてるんだ!!
僕たちの大切なパートナーなんだ!!」

「あなた選ばれし子供なのに、そんなことを分からないの?
そのデジモン、あなたのパートナーなんでしょ」

ヒカリちゃんの言葉にデジモンカイザーはワームモンを見た。

「パートナーはね、自分で作るんじゃないの。
すでに存在してくれているんだよ……そばにいてくれてるんだよ。
キミのワームモンのように……」

「僕の……僕のパートナーデジモンは……

キメラモンだっ!!!!





次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ