海のような君へ
□見守って
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私たちはキメラモンによって壊されていく街を、遠くから見ていた。
今はチャンスを待つしかない無力な自分に、街を壊していくキメラモンに、そんなキメラモンを作ったデジモンカイザーに、怒りを感じながら…
「あれは……」
「どうしたの伊織君?」
伊織君はデジモンカイザーの進行方向に何かを見つけたようだ。
「あれは、パイプラインですよね?」
「そうだけど…」
「パイプラインでどうするつもりだ?」
「はい、もしかしたら何かに使えるかもしれません。
光子朗さんに連絡してみます」
伊織君は光子郎君にメールを送った。
すぐに返事は帰ってきた。
「……さすが光子朗さんだね」
「時間もないし、そろそろ準備しよう」
光子郎君の作戦はパイプラインを使って火をおこし、その隙に乗り込む作戦だ。
アグモン、ガブモン、テントモンがパイプラインを使って火をおこす。
「よし、行くぞ!!」
ライドラモンに乗って大輔君が真っ先に飛び乗った。
「突撃隊長にはぴったりだね」
「バカなだけよ」
そう言ってみんなも飛び乗る。
移動要塞の暗い洞窟のようなところを抜けると、ホールのような所に出た。
このホールの中央は空洞で、ガラスで塞がれている。
そしてその空洞には上から下の伸びる機会があり、その下の部分が動力室になっている。
「あそこを壊せば……よし、みんな行くぞ」
大輔君の言葉にみんなが頷き、進もうとしたが、その前にイービルリングをつけたバケモン達が襲ってきた。
「ひゃー」
「すごい大歓迎されてますね」
「ホントね」
「でも……邪魔はさせねぇぜ!!」
デジモン達がイービルリングを壊していく。
そしてその間に先に進む。
ついた場所は…
「ここは、格納庫のようですね」
「サッカー場ぐらいあるな」
すると天井が揺れ、罅が入った。
そして…
「キメラモン」
キメラモンが降りてきた。
それに大量のバケモンも
「くっ、動力室までもう少しだったのに…」
「大輔、降りて」
「キメラモンと戦うには、ここにいる全員で戦わないと勝てない」
「タケル、ここは僕たちに任せて」
「ヒカリ、心配しないで」
「大丈夫じゃが」
「京さん、早く」
パートナーの言葉を聞いて、私たちはデジモンから降りてコンテナの後ろに隠れた。
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