海のような君へ
□終結には
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「えっと………ずっと入院していて、この間に退院したばかりで……
えっと………中学にようやく通えるようになって………分からないことばかりで、迷惑をかけると思いますが……よろしくお願います」
9月1日、お台場中学では2学期の始業式が行われていた。
その後、教室に戻った私は、みんなの前で自己紹介をすることに……
転校生じゃないのに………!!!
「というわけだ。
幸村は、しばらく入院していて、ようやく学校に来れたんだ。
分からないことが多い、みんな、ちゃんと教えてやれ」
「「「はーい」」」
「んじゃ、幸村、座っていいぞ」
「あ、はい…」
私は自分の席に座った。
ふぅ……すごく緊張した。
転校生でもないのに、自己紹介って……
「お疲れ、鈴」
「うん…」
私は、太一やヤマトとはクラス違っている。
その代り、空が一緒のクラスだ。
友達が一人でもいるって言うのは、すごく心強いね。
「それじゃあ、明日は実力テストだからな。
一応、勉強はしとけよ」
先生の言葉に、まばらに返事をしていく。
「それじゃあ、今日はここで終わりだ」
「きりーつ」
終わりという言葉に、委員長が号令を出した。
「れーい」
「「「「さよーならー」」」」
「おう、気をつけて帰れ」
生徒たちが次々と鞄を持って帰っていく。
「鈴、帰ろう」
「あ、うん」
「あ、幸村」
帰ろうとすると、担任に声をかけられた。
「なんですか?」
「久しぶりの学校、どうだ?」
「友達もいるので、なんとかなりそうです」
「そうか、けど、無理はするなよ」
「大丈夫です」
わたしの言葉に満足したのか、担任は笑うと、もう帰っていいぞーと言った。
廊下で待ってる空に、話は終わったと言った。
「それじゃ行きましょう」
「うん」
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