海のような君へ
□進みたい
1ページ/2ページ
もうすぐで夏休みが終わる、8月下旬。
「今までお世話になりました」
私は、今までお世話になった、医者や看護婦に挨拶をした。
「よかったわね、退院できて」
「はい、ありがとうございます」
「もし、体に異常を感じたらすぐに病院に来ること」
「分かってます」
「あと、なるべく激しい運動もしないように。
それから一週間に一回はかならずリハビリに来ること」
医者からの言葉に私は頷く。
「本当にお世話になりました」
お母さんは頭を下げて、感謝の言葉を述べる。
「いえ、お嬢さんが退院できてよかったです」
それから、私はお母さんと一緒に病院を出た。
「よっ」
外に出ると、ミミちゃんと丈さん以外の全員が来ていた。
「みんな、来てくれたんだ」
「と言っても丈さんは、どうしても外せない用事があってこれませんでした。」
「丈さんらしい」
「鈴、みんなと遊んでいらっしゃい」
「え、でも………」
「せっかく退院できただし、無理しない程度ならいいわよ」
お母さんが、笑ってそう言ってくれた。
「………うん、行ってくるね」
「太一君、鈴のこと、よろしくね」
「任せてください」
.