海のような君へ
□一緒に
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ヤマトが来て、3日が経過した。
「こんにちは、鈴お姉ちゃん」
「タケル君、こんにちは」
タケル君は病室に入ると、周りを見渡した。
「どうしたの?」
「あ、うん……太一さん、いないんだね、って思って」
「太一なら、今日も来てないよ」
「今日も……?それって最近来てないってことなんですか?」
「最近って言うより、3日前から来てないよ。それがどうしたの?」
「なんでもないよ!!
(太一来てないんだ………)
それより、今日はプレゼント持って来たんだ」
嬉しそうに笑うタケル君。
「プレゼントって私に?」
「そうだよ」
「なにくれるの?」
嬉しそうだけど、少し恥ずかしそうな表情を浮かべている。
その様子に、なにを貰えるのか少しだけワクワクした。
「大したものじゃないんだけど……これ」
タケル君がくれたのは、うさぎの人形だった。
それも小さなキーホルダーのようなものではなく、少しだけ大きな人形。
「これ、どうしたの……?」
「ちょっとね……鈴お姉ちゃんが寂しがってるかなって、思って……
(ホントは、お兄ちゃんから聞いたんだけど…)」
「もらって、いいの…?」
「うん、そのために買ったんだ」
「あ、ありがとう………」
タケル君からもらった人形を抱きしめた。
「大事にするね、タケル君」
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