桜の舞う世界で

□壱拾弐訓
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「ふぁ〜 眠いな……」

土方コノヤローのせいで外出禁止令が出された俺。

いま思えば、土方の言うことを聞く必要なんてないと思う。

なのに言うことを聞く俺って…いい奴だよな〜

「………誰も来ないし、出かけても問題ないよな」

布団から起き上がり、障子を開ける。

左右の確認

「誰もいないな」

上下の確認

「上下に人がいたらびっくりだわ」

気合いを入れて、部屋から出る。

しばらく歩いても誰とも出会わない。

どうやらみんな道場にいるようだ。

「今なら、出かけても問題ないよな」

なんか、こういうのワクワクする。

そう言えば、前に風邪をひいたとき、師匠に黙って部屋を出たことあるな…

あのときは銀時や晋助を連れてたけど、師匠と小太郎に見つかって……倒れたんだっけ…

それで起きあがった時、銀時や晋助にタンコブができてて…師匠に思いっきり怒られたな…

懐かしい……

「って、なに昔を懐かしんでるんだよ。
らしくもない」

自分自身に苦笑して、廊下を歩いて行く。

「静かだな……まるで俺以外の人間がいないみたいだ」

ここはこんなに広くて、こんなにも静かだったんだな

「おや……外出禁止の方がなぜここに……?」

背後から嫌な声がした。

というか気配を感じなかった………!!!

「…………はは、こういうときは……」

逃げるが勝ち!!!!

山南から逃げるように、全速力で走って行く。

見つかるとは思っていたけど、まさかその相手が山南だとは思わなかった……!!






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