桜の舞う世界で

□壱拾壱訓
1ページ/3ページ


夢を見た

どんな夢なのか分からないけど……

とても温かい夢だったような気がする

撫でられた手が温かくて、抱きしめられたぬくもりが懐かしくて……

でもその相手は師匠じゃなくて…

知らない人……

この人は……いったい……


「渚ちゃん?どうしたの?」

ボーっとしていた所に、沖田が俺の顔を覗いてきた。

「あー、なにが……?」

「何がって…お前顔色悪いじゃねぇか!!」

沖田の顔も近いが、藤堂の顔も近い

「マジか……道理でダルイと思った」

「だるい……?」

「しんどいってことだ」

そう言うと同時、額に冷たい物が当たった。

「すごく熱い。なんでこんなになるまでほっておくのかな」

沖田の呆れた声が聞こえてきた。

「別に…ほっておいたわけじゃない…」

そういえば、体がしんどいだけじゃなくて、頭も…ガンガン…してきた……

「お、おい!!##NAME1#!!」

藤堂…叫ぶな……

頭が痛い……

「平助、急いで山南さんを呼んできて」

「あ、お、おう!!」

藤堂の走って行く音が聞こえてきた。

もう少し大人しく走れ……

頭に響く……

「渚ちゃん……」

俺の名前と同時に頭を撫でられる。

「おき、た………?」

「無理しなくていいよ。
ゆっくり眠りなよ」

優しい声に、俺はゆっくり目を閉じる。







次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ