桜の舞う世界で
□壱拾壱訓
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夢を見た
どんな夢なのか分からないけど……
とても温かい夢だったような気がする
撫でられた手が温かくて、抱きしめられたぬくもりが懐かしくて……
でもその相手は師匠じゃなくて…
知らない人……
この人は……いったい……
「渚ちゃん?どうしたの?」
ボーっとしていた所に、沖田が俺の顔を覗いてきた。
「あー、なにが……?」
「何がって…お前顔色悪いじゃねぇか!!」
沖田の顔も近いが、藤堂の顔も近い
「マジか……道理でダルイと思った」
「だるい……?」
「しんどいってことだ」
そう言うと同時、額に冷たい物が当たった。
「すごく熱い。なんでこんなになるまでほっておくのかな」
沖田の呆れた声が聞こえてきた。
「別に…ほっておいたわけじゃない…」
そういえば、体がしんどいだけじゃなくて、頭も…ガンガン…してきた……
「お、おい!!##NAME1#!!」
藤堂…叫ぶな……
頭が痛い……
「平助、急いで山南さんを呼んできて」
「あ、お、おう!!」
藤堂の走って行く音が聞こえてきた。
もう少し大人しく走れ……
頭に響く……
「渚ちゃん……」
俺の名前と同時に頭を撫でられる。
「おき、た………?」
「無理しなくていいよ。
ゆっくり眠りなよ」
優しい声に、俺はゆっくり目を閉じる。
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