桜の舞う世界で

□七訓
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「君って強いの?」

始まりはこいつの言葉だった。



みなさん、こんちは
志柳渚です。

今日はいつもより日差しが強く、部屋にこもっている。

何故か俺は、強い日差しに弱いみたいで、長時間浴びれば倒れそうになる。

そう言うことなので俺は、部屋に引き籠っている。

部屋の中で何をしているかというと、大事な本を読みなおしている最中だ。

いつも持ち歩いてるからな。

こっちの世界に一緒に来たんだ。

「にしても……今日は一段と日差しが強いな……」

頭がクラクラするぞ、おい。

「渚ちゃん」

「なんだ、沖田か」

そんな中、沖田が部屋に入ってきた。

だから入る前には、許可をとれ。

「僕のことは総司って呼んでいいのに」

「遠慮する」

「新八さんや平助君は名前で呼んでいるのに?」

「あいつらの反応が面白いだけだ。
お前は呼んでも面白くなさそうだからな」

お前は一生、名前で呼ばないだろう。

「そんなの試してみないと分からないじゃないの?」

沖田はどうしても名前で呼ばれたいようだな。

「というか、何の用だ?」

「ん、暇だから遊びに来たんだよ」

「迷惑だ、帰れ」

犬を追い払うように、俺は沖田を追い払う。

「えー、相手してよ渚ちゃん」

「俺じゃなくて、土方とか斎藤とか藤堂とか原田とか永倉とかがいるだろう。
わざわざ俺の所に来るな。うっとおしい」

「そんなことより、なにを読んでいるの?」

「人の話を聞け、って勝手に覗きこむな」

沖田が俺の読んでいる本を覗こうとした。

なので俺は本を閉じだ。

その表紙には達筆な字で、俺の名前が書かれていた。

「これって、寺子屋とかで使う本だよね?
渚ちゃん通ってたんだ」

「…………まぁな」

俺は本を表紙を優しく撫でる。

「…すごく大切にしているんだね。その本」

「当たり前だ。
これは……俺に剣術を、学を教えてくれた人がくれたものだ。
乱暴に扱うわけねぇだろ」

「すごく大切な人みたいだね。
僕妬けちゃうな」

「勝手に妬け、俺は知らん」

あの頃が懐かしい……

あの頃は、楽しい時間が永遠続くものだと信じていた。

毎日が楽しくて、面白くて、幸せだった……

「ねぇ、渚ちゃん」

「なんだ?」

「剣術を習ってたんでしょ?」

「ああ、そうじゃねぇなら、刀なんて使わねぇだろ」

「君って強いの?」

そして冒頭に戻るのであった。






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