桜の舞う世界で
□弐訓
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あなたがこの辺りに巣くう"鬼"ですか
髪の長い男性がわたしの前に立っている。
あなたは…………？
血のように赤い髪ですね
そう言ってわたしの髪を撫でる。
とても……温かい………
とても綺麗な髪ですね
きれい……？
"それ"を食べて美味しいですか？
ううん、おいしくない……
でも"これ"いがいになにを食べたらいいの……？
なら、私が他の食べ物をあげましょう。
ですからそれを放しなさい
そう言って男の人は私が持っていた"それ"を取り上げる。
顔を拭きなさい。
可愛い顔が台無しですよ
その人はわたしの顔についてる"赤いもの"を拭いた。
あなたと同じような子どもたちがたくさんいます。
あなたはもう一人ではありませんよ
一人じゃ、ない……？
あなたの名前は？
なまえ……分からない
名前がないのですね。
………あなたの名前は
渚……
志柳 渚
志柳……渚………
それがわたしの名前……
わたしの名前………
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