桜の舞う世界で
□壱訓
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「ここまでか………」
敵に囲まれ、逃げ場のない私たち
「ここまで天人が多いと、不愉快を通り越して滑稽になるな。
で、どうする銀時、小太郎」
「天人に殺されるぐらいなら、武士らしく腹を切って……」
銀時が小太郎の言葉を遮るように立ちあがった。
「ふざけんな。
最後を美しく飾る暇があんなら、最後まで美しく生きろうじゃねーか」
「最後まで美しく生きろう、か……」
銀時の言葉に小さく笑い、俺もたちあがる。
「ヅラはここで終わりか?」
「ヅラじゃない」
小太郎は立ち上がり敵を見つめる。
「桂だ!!!」
その言葉をきっかけに三つの方向へ、刀を振って行く。
これは俺がまだ攘夷戦争の最中の話しだ。
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