Short story

□微熱
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推薦枠で全国大会に出場することになった俺達は、毎日練習を重ねていた。




(もう7月か…)




部室に貼ってあるカレンダーをチラリ見て、着替え途中のYシャツのボタンを1つ外す。


もうすぐ夏休みだ。気が抜けねぇ。


ユニフォームに着替え、ラケットを持ち扉を開けようと手を伸ばした。その時、




「……っ」




突然の頭痛。
眉を潜めながら額に手を置き、痛さが安らぐのを待つ。


…振り返れば、今日1日は何かとこんな感じだった。

ハァと小さく溜め息を吐き、コートへ向かった。










推薦枠と聞き、最初は良い思いをしなかった。

やっぱり全国へは実力で行きたい。
その為に血の滲む努力をして来たつもりだ。

それでも、どんな形でも、チャンスがあるならと…その申し出を受けた。


もう1つ、理由を言うなら…




芥「りんちゃんに会えるかなー?」




練習中、空を見上げるジロー。


珍しく部活に来たと思えば、鋭いこと言いやがる。




「さぁな」




平生を装い素っ気なく返す。




芥「えー会いたE〜」



忍「俺も会いたいなぁ」



向「俺も!」



「………」





こいつらは試合中じゃないのか。
戻れと叫ぼうとした時、




「………っ」




くらり、後ろに倒れそうになる。

まずいな。そろそろ限界だ。




忍「けど、跡部が一番会いたいんやないか?」



「……そうだな」



忍「え?」




目の前の忍足にもたれかかるように倒れれば、全員驚きの表情を見せた。




向「お、おい跡部!?」



芥「大丈夫?!」



忍「しっかりしぃや!」




3人の声を聞き、俺は意識を手放した。
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