Short story
□宝物
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りんが初めて喋った言葉ばお母さん゙でも゙お父さん゙でもなくて、俺だった。
南「ほぉらりん。
゙パパ゙って言ってみろ」
『?』
南「ぱ、ぱ」
『……』
南「ぱ、ぱ」
『…りょ、』
南「お!」
『…りょ、ま…にいちゃ』
南「!!」
倫「あら、どうしたの?」
南「…お父さんは悲しい」
『りょまにいちゃ//』
正直、妹が苦手だった。
いつもいつも俺の後についてきて、ニコニコと笑う。
懐いてくれてるのはわかってたけど、どういう接し方をしたら良いのかわからなかった。
俺と違って社交的なりんは、友達もたくさんいた。
幼稚園では必ず皆の輪の中にいるのが当たり前。
でも、りんは俺の姿を見つけると走ってくる。
『にいちゃ!』
皆のとこにいれば良いのに、俺の近くにいたがっていた。
俺が素っ気なくしていても満面の笑顔で笑う。
そんな妹が、不思議だった。