pure love

□恋心
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*りんside*






紅「……好きやで」




ドクンと鼓動が大きく鳴る。




(やっぱり、二人は…)




ズキズキと胸が痛み出した時、紅葉さんが「でもな」と呟く。




紅「りんちゃんのとはちゃうから、安心してな」



『え…』



紅「蔵は好きやけど、そうゆう目で見たことはないねん」




それを聞いて、ホッと安心してる自分がいた。



紅葉さんはふと真剣な顔付きになって私を真直ぐに見据え、






紅「…りんちゃん、ホンマは気付いとるんやろ?」




ドクンと再び鼓動が鳴る。



紅葉さんが何を言いたいのか、もうわかってる。





白石さんが紅葉さんと一緒にいて、お似合いだなって思って、すごく嫌だった。




もし、紅葉さんが白石さんを好きだったらどうしようって。







…二人に、嫉妬してたの。








『は…い』




やがて、ゆっくりコクンと頷く。









好き





白石さんが、好き






お兄ちゃんとか、先輩とかとは、違う










すごく、大好き。










紅「…そっか」




顔を上げたら、紅葉さんは嬉しそうにニッコリ笑っていた。


何だか急に恥ずかしくなって、顔が赤くなってきた気がする。




紅「じゃあ両想いやな。良かった良かった」



『……!///』




それを聞き更に赤くなる顔を隠すように俯く。




゙両想い゙






紅「蔵な、りんちゃんと出掛けることめっちゃ楽しみにしとったんやで」



『え?』



紅「やって店までわざわざ来て、明日のこと嬉しそうに話すんやもん。
でな、うちも前に蔵からりんちゃんのこと聞いとったし、連れてきてもらったっちゅーこと」




そうなんだと納得すると同時に、そんなに話題に出されてたんだと恥ずかしくも気になった。




『ど、どんな風に聞いてたんですか?』



紅「んー…めっちゃ良い子だとか、かわええとかほっとけないとか、ぎょうさん言っとったなぁ。

蔵があんなに女の子の話する何て珍しいから、どんな子なんかなぁーって思っとったら…」




紅葉さんはじっと私を見ながら大きく頷き、一人納得してるようだった。



ふと、昨日のことが頭に過る。








―デートやと思って、楽しかったんは俺だけか









何で、何も言えなかったんだろう。



寂しそうに笑う白石さんを見たら、胸がギュッとなって、何も言えなくて。






紅「…りんちゃん?」




俯く私に、紅葉さんは心配そうに問い掛けてくる。




『紅葉さん、私…白石さんを、傷付けてしまいました…』




楽しかったのは私も一緒なのに。




痛む胸を押さえ、紅葉さんに事情を話した。




紅「そんな気落ちしなくてもええ。
ただ蔵が拗ねとるだけや」



『でも、』



紅「あいつ子供っぽいとこあるからなぁ」




身を乗り出した時、ふと着信音が鳴り響いた。

「りんちゃんのやない?」と言われ一瞬首を捻ったけど、やがてハッと気付く。



実は、心配だからとお母さんの携帯電話を持たされていたのだ。


色々あってすっかり忘れていた。




『はい、もしもし』




慌てて耳に当てると…
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