pure love

□バトル
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*りんside*



今、この状況は一体…?



心臓の音がドキドキと煩くて、頭が冷静に働かない。




跡「…俺は、」




跡部さんの声が耳元で低く響き、思わずビクンと体が跳ね上がる。


何か言わなくちゃと口を開けた時、




ぐ〜きゅるる〜…




(お、お腹が…!)




急に鳴ったお腹を慌てて押さえる。

すると、跡部さんの回されていた腕がゆっくりと解かれた。




跡「……ふ、ふはっ」




片手を口元に添えて、跡部さんは笑いを堪えているようだ。




『わ、笑わないでください!///』




笑われたと思うと急に恥ずかしくて、顔が赤くなっていくのを感じた。




跡「だってお前、」




「腹空いてるのかよ」と可笑しそうに笑い聞いてくる。




『じ、実は、夕食の手伝いや片付けが忙しくてあまり食べる暇がなくて…』




でも、手伝いは好きでやってることだし、仕方ないよね。




跡「…仕方ねぇな」



『え?』




跡部さんは急に立ち上がると、私の腕を引っ張って同じように立たせる。

首を傾げる私に対し、「行くか」と一言。




『ど、何処にですか?』



跡「食堂に決まってんだろ。俺様も何か食う」




そう言うと、跡部さんはスタスタと前を歩き始める。

つられ慌てて後を追って行った。




『あの、私何か作りましょうか?』



跡「そうだな…なら俺も手伝ってやる」



『え?』




(手伝う?)




ってことは、えっと…跡部さんが料理を?



目を見開き驚いている私に気付いたのか、跡部さんは足を止め微かに眉を寄せた。




跡「…何か文句あるか?」



『い、いえ…っ』




ぶんぶんと首を横に振り、意外だな…と頭の片隅で思いながら、食堂に向かった。























チュンチュンと鳴く雀の声でゆっくり目を開ける。




(…今、何時…?)




時計に手を伸ばしたけれど、まだ起床するには十分早い時間だった。




(…昨日は楽しかったな)




跡部さんと料理を一緒にして、二人でチャーハンを作った。


小さい頃から、コックさんが作っているのを見ていたらしく、それでも実際にするのは初めてだと言っていた。




(すごいな、)




初めてとは思えない手つきを思い出す。


皆を起こさないように静かに部屋を出て、廊下を歩き出した。




(あれは…何だったのかな)




その場面を思い出し、カァァと赤くなる顔を慌てて振るった。


その後食堂に行った時も、跡部さんはいつもと変わらない態度で、気にしてる自分が恥ずかしくなってきた。




…気になることと言えば、もう一つ。



昨夜部屋に戻ったら杏ちゃんがまだ起きていて、耳打ちするように教えてくれた。





―さっき白石さんが来て、りんちゃんのこと探してたわよ。





何か大事な用事だったのなら、悪いことをしてしまった。




(謝らなくちゃ…)




今日会ったらちゃんと謝ろう。と心に決めて、白石さんの名前が書いてある部屋の前を通り過ぎた。
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