pure love

□予感
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―りん、








…誰…?








―りんは、ずっと俺とだけいればいい








え…どうして?








―近付く奴は、皆俺が















―殺してやるよ














ジリリリリ…







目覚ましの音が響き薄らと目を開けると、瞳が微かに濡れていた。




(私、泣いてた…?)




あの夢は、きっと…あの人。



忘れられない、人。






(…寂しそうだったな)




まだぼんやりする頭で、早く目を覚ますために洗面所に向かう。

バシャバシャと冷たい水で顔を洗い、鏡を見て『よし!』と気合いを入れた。




(今日も練習、頑張らなくちゃ!)




朝食のメニューを考えながら廊下を歩いていると、ふと受話器の側に置いてある一枚の紙が目に止まった。


白石さんが大阪に帰る時、教えてもらった携帯の番号。

先輩達は携帯を持ってるから普通に交換してたんだけど、私は持ってなくて。
だから、持ってたメモ帳に書いてもらった。



…でも、




(電話なんて…出来ないよ)




携帯持ってれば良かったな。そしたら、メールとかもあるのに…


そんなことを思いながら台所に行き、今朝の朝食の準備に取り掛かった。














倫「りん、どうしたの?」



『え?』



倫「何だかぼぉっとしてるみたいだけど、」




朝食をとっていると(お兄ちゃんはまだ寝てます)お母さんが心配そうに尋ねてきた。

私、そんなにぼーっとしてたのかな…?




『大丈夫だよ。夏バテかな』




笑顔で言うと、お母さんは「そう?」と まだ腑に落ちない感じで肩を落とした。




菜「そうだ。りんちゃん、白石さんに電話してみた?」



『ふぇ!?』




菜々子さんの発言に口に運ぼうとしていた卵焼きをボトリと落としてしまった。




『な、何で…っ』



菜「だって、受話器のところに電話番号が書いてあるから…違うの?」




さすが菜々子さん…と感心している間にも、「そうなの?りん」とお母さんも興味津々に聞いてくる。




『うん…教えてもらったの』




コクンと頷くと、急にお母さんが持っていた箸をお皿に置いた。

席を立ち廊下に消えたお母さんを不思議に思っていると、手に受話器の子機を持って戻って来た。




『あの「電話しなさい」




キョトンとする私に向かって、やけに真剣な顔で言う。




『誰に「白石さんに」




え、ぇえ!??




倫「りんのことだから、きっと一生かけないで終わるわよ」



『う……』




そうかも、と思って俯くと、お母さんはハァと小さく溜め息を吐いた。




『でも…迷惑だろうし』



倫「もう会えなくてもいいなら、かけなくていいわ」




会えなくなる?

白石さんと、もう会えないの?







…それは、やだ。





ギュッと拳を握り締めた後、ゆっくりと子機を受け取った。




『…部屋で、かけてくるね』



倫「えーここでいいじゃない」



『………』




お母さん…絶対自分も話すつもりでいたんだ。

何だかなぁと思いながら自室に向かった。
















思い切って決心したのはいいけど、




(な、なんて言おう)




部活中だったら、もしかしたらまだ寝てるかも、ううん、出掛けてるかも…



…もしかしたら、デ、デートとか。




『…………』




白石さんって彼女とかいるのかな。

そしたら、すっごく迷惑だよね。




子機を床に置いて正座しながらじっと見つめていると、カルピンがほぁらと鳴き横を通り過ぎた。




『…やっぱり、やめようかな』




頭に?マークを浮かべるように鳴くカルピン。
戻してこようと子機に手を伸ばした瞬間、




プルルルル




『はゎわ!??』




急に音が鳴ったので驚いて後ろに倒れそうになった。




『は、はい。越前です』




誰だろう…と思いながら耳にあてると。




《あ、りんちゃん?久しぶりー朋香よ!》



『朋ちゃん!?』
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