pure love

□お祭り
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菊「りんりん〜!!」



『どうしましたか?菊丸先輩』




楽しそうに近付いてきた菊丸を見て、りんは部誌を書く手を止め微笑む。




菊「あのさー今日、近くで花火大会があるんだって!」



『花火大会?』



菊「うんにゃ!これから皆で行こうよ!」




何を書こうかと考えていた頭は一気に切り替わった。




『…行く!行きたいです!』




りんがキラキラと目を輝かせると、菊丸は「決まり〜!」と嬉しそうに叫びコートに連れ出した。













不「お祭り、かぁ。楽しそうだね」



菊「だよねだよね!」



桃「旨いもんいっぱいありそうっスよね〜」



海「ハッお前は食うことしか頭にねぇのか」



桃「んだと!?」




いつものごとくケンカが始まりそうだったので、大石が急いで止めにはいる。






白「楽しそうやないか。なぁ手塚」



手「……人混みはあまり好きではなくてな」




遠目で話を聞いていた白石と手塚。
すると、皆の輪から抜けてりんがとことこと走って来た。




『きっと楽しいですよ!』




ね!と本当に楽しそうに笑う。




手「……そうだな」



白「(さっきと言うてること違うやん!)」




手塚の横では、白石が心の中で素早くツッコミを入れていた。




『楽しみだねーお兄ちゃん!』



リョ「…そう?」



『うん!皆と遊べるんだもん!』




はしゃぐりんに対してリョーマが半ば呆れていると『あと』と呟く声。




『お兄ちゃんとお祭り行くの、すっごく久しぶりだから!』




えへへと無邪気に笑う我が妹。

仕方ないと小さく溜め息を吐くと同時に、リョーマは小さな頭に手を乗せた。
















待ち合わせの時間を決め、一旦解散することになった。




『んー…何着てこうかな』




オシャレに疎いりんは持ってる服をありったけベッドに並べる。

服は普段母が買ってくるため、コーディネートというものがいまいち分からない。




『どうしよう…』




深く悩んでいると、




菜「あら?どこか出かけるの?」



『菜々子さん!』




前を通りかかった菜々子を見て、りんはそうだと考えた。




『これから花火大会に行くんですけど、何を着てけばいいのかわからなくて…
菜々子さんならどれを着ますか?』



菜「花火大会…」




菜々子はベッドの上の服を見てからりんに視線を戻す。




菜「浴衣は着ないの?」



『え!でも、私持ってなくて…』




前にお祭りに行った時は5歳だったため、さすがにもう小さくて入らないはず。




菜「なんだ、そんなこと?」



『へ、』




「ちょっと来て」と腕を掴まれ、訳がわからないままりんは誘導されていった。
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