pure love

□娯楽
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次のダブルス、シングルスと青学が勝利し…
四天宝寺との試合は幕を閉じた。


つまり…



青学は、決勝戦進出が決定した。










白「お疲れさん」



不「そちらこそ」




試合後、四天宝寺の皆が青学のもとへとやって来た。




ユ「ほんま悔しいわ〜桃尻が覆面さえ持って来なければ…」



桃「桃尻!?誰が桃尻やねん!」




完全にお笑いテニスに感化された桃城。
海堂にフッと鼻で笑われ喧嘩が始まったので、りんは慌てて止めに入った。




白「さて、ほなぼちぼち俺らは退散しよか」




背中を向ける前、白石はりんを見てニコッと頬笑んだ。
びっくりして何故か赤くなる顔を隠すように下を向くと、




金「あれ、わいは?」




金太郎の声に顔を上げたりん。




金「わい、コシマエとまだ戦ってへんで?」



千「金ちゃんごめん…負けばい」




手塚にダブルスで敗れた千歳が申し訳なさそうに言うと、金太郎は「いやや!わいはやるでぇー!」と叫んだ。




金「コシマエ、勝負やー!」




リョーマに向かって指を指す。




大「越前、決勝戦の前だ。無意味な試合で怪我でもしたら…」



リョ「…ういっす」




納得出来ない様子の金太郎の声を受けながら、リョーマはテニスバックを持ち去ろうとする。




金「待ちいや!試合や「諦めるんや金ちゃん!」




白石の大きな声に体をビクッと震わせた金太郎と、それを黙って見つめるりん。




白「…残念やけど、人生には思い通りにならん事もあるんや」




ゆっくり、言い聞かせる白石を見て、金太郎はしゅんと肩を落とした。




『……お兄ちゃん、』




白石の気持ちも、金太郎の気持ちもわかる。

…けれど、




『私からも、お願い!』




頭を下げるりんを見て、リョーマは目を丸くした。




『お願い…』




声音がだんだん弱々しく小さくなって来る。

リョーマは暫くりんを見つめ、ハァと小さく溜め息を吐いた。




リョ「…別に、一球だけならいいけど」




素っ気ない言葉。

りんは勢い良く頭を上げた。




『ありがとう、お兄ちゃん!』




嬉しそうに微笑むりんを見て、リョーマは黙ってコートに向かった。




金「ホンマか!?おおきにー」




嬉しそうに笑い頭を下げる金太郎。
りんは良かった、と自然と頬が緩む。




『(やっぱり、優しいな)』




そんなお兄ちゃんが大好き、何て思ったりん。
妹の中で、また1つ兄へのLOVEメーター(?)が高くなったのであった。
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