pure love

□ふたり。
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*りんside*



氷帝学園に勝利し、青学はいよいよ準決勝に進出です!(誰に言ってるんだろう…)











『四天宝寺か不動峰ですか?』



乾「ああ。四天宝寺は去年立海に破れたが、実力は本物だ。どちらにしても次の試合で対戦相手が決まるよ」




自分で握ってきたおむすびを食べながら、乾先輩の話に耳を傾ける。




(…四天宝寺、かぁ…)




どんな学校なのかなぁ。




『私、お兄ちゃんにおむすび渡しに行って来ますね』




飲み物を買いに行ってから戻ってこないお兄ちゃんが心配になり、おむすびを持って探しに行こうと立ち上がる。


不二先輩が1人で大丈夫?と聞いてくれたけど、大丈夫と答えて背中を向けた。









(…あ、いた!)




暫く歩いていたら見慣れた白い帽子が視界に映った。

お兄ちゃんと叫ぼうとしたけど、反射的に足が止まってしまった。




(桜乃ちゃん…?)




声は聞こえないけど、お弁当箱みたいなのをお兄ちゃんに差し出している。
お兄ちゃんはその中からおむすびを手に取り、口に運んだ。




(………)




薄らと頬を赤く染める桜乃ちゃんを見て、おむすびの箱を持つ手に力を入れた。


どうしよう…渡せないよ。


先輩達の所へ戻ろうと足を反対方向に向けたその時、




「うわぁぁーー!!」



『きゃあ!!』




木の上から突然何かが落ちてきた。
びっくりして目を見開いていると、目の前の…男の子は「痛〜」と言って頭を掻いた。




『あの…っ大丈夫?』




思わず手を差し伸べたら、男の子は少し目を丸くして、おおきに!と笑った。


体を起こしたその男の子は、ヒョウ柄の服に…゙四天宝寺゙と書かれたジャージを羽織っていた。




「ねぇちゃんええ人やなぁ〜!
わい、遠山金太郎言いますねん。よろしゅう!」



『あ、私は…越前りんです』




元気よく差し出された手を握る。




金「りんって呼んでええか?
わいも金太郎でええで!」



『じゃあ、金ちゃん…で』




人懐こい笑顔を向ける金ちゃん。
仲良くなれそうだなぁ。




リョ「…りん?」



『お兄ちゃん!』




自販機の前にいたお兄ちゃんが、いつの間にか目の前にいた。

お兄ちゃんは隣にいる金ちゃんを見て少し眉を寄せる。




金「お前…コシマエ!!」



(コシマエ…?)




コシマエって…越前のことかな?

お兄ちゃんと金ちゃんが知り合いだったことに驚きながら、ちゃんとした読み方を教えた方が良いのかな、と考え始めた。




『そういえば、桜乃ちゃんは?』




さっきまでお兄ちゃんと一緒にいたのに。




リョ「女子テニス部の応援に行った。りんによろしくって」



『…あ、そうなんだ』




おむすびを食べるお兄ちゃんのことを、頬を赤くして見つめる桜乃ちゃんを思い出す。


ズキン


胸が痛い…




(う゛〜何これ、)




思わず眉をしかめていると、お兄ちゃんが首を傾げて見つめている。

その時、急に金ちゃんの体が後ろに引き寄せられた。




「こーら金太郎」
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