pure love

□王者と挑戦者
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『(き、緊張して来た…)』




ついに関東大会決勝の日を迎えた。

コートに立つ青学と立海を見て、りんはゴクリと唾を呑み込む。




「只今より関東大会決勝戦立海大附属VS青春学園の試合を始めます!!」




審判の声と共に観客席から歓声が沸き起こった。


部長同士が握手をする為に前に出てー…




大「俺達は勝つ為に来た!」




大石が勢い良く言うと、周りが一瞬静まった。

それから我に返ったように手を離し慌てる大石。




「「ナイス、大石…部長!」」




青学一同、笑顔で迎えた。




『…大石先輩。』




その光景を見ていたりんは、ギュッと服の袖を握りしめた。




朋「あ!いたいたりんちゃ〜ん!」



『朋ちゃん、桜乃ちゃん!』




朋香と桜乃が手を振りながら走って来た。

…学ラン姿で。




『どうしたの?その格好』



桜「と、朋ちゃんが無理やり…」



朋「だって立海は応援団までいるのよ?こっちも目立たなきゃ!」




恥ずかしそうに顔を赤くする桜乃と、自信満々の朋香。




朋「はい、りんちゃんの分よ」




もう一着持っていたらしい。目の前に学ランと長ハチマキを差し出される。




『…う、うん。ありがとう』




一瞬戸惑ったりんだったが、せっかく持ってきてくれたので喜んで着ることにした。











『青学ーフャイオー!』



リョ「…何してんの」



『!!』




リョーマは学ラン姿のりんをマジマジと見る。




『と、朋ちゃんが持ってきてくれたの!』



朋「あ!リョーマ様〜
これでバッチリ応援するわよ」




小さく溜め息を吐き呆れ顔のリョーマ。




不「頼もしい応援団だね」




不二はそう微笑みながら言うと、りんの頭を優しく撫でた。




リョ「…不二先輩、始まるっスよ」



不「はいはい」




不満顔のリョーマを見て、不二は小さくクスッと笑った。

何故兄の機嫌が悪いのかわからず、首を傾げるりんだった。













ダブルスは2試合とも立海が勝利した。
その圧倒的な強さに、誰もが目を見開き驚いた。



シングル3は乾VS柳。
柳は立海で゙参謀゙とも呼ばれている実力者。




『頑張れ、乾先輩…』




思わず小さく呟いた。
それはりんだけじゃなく、青学の皆の願いだった。


…乾はデータテニスを捨てて、がむしゃらに動いているように見える。

ついに6−6まで行き、タイブレークに突入した。




リョ「頑張れ乾先輩!」



『(お兄ちゃん…)』




普段黙って見ているリョーマがコートに向かって叫んだ。


長いラリーが続き、勝利を掴んだのはー…




「ゲームセット ウォンバイ… 乾 7−6!!」




立海から1勝した。



菊丸と桃城は勢い良く乾に飛び付き、その反動で倒れそうになっていた。




『先輩、お疲れ様です』



乾「ありがとう」




りんからドリンクとタオルを受け取る。




荒「いや、もう乾汁だろうがペナル茶だろうがOKっスよ!!」




そう叫んだ荒井が乾汁の餌食になり、後悔する羽目になるのは時間の問題だった。
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