pure love

□妹離れ
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噂はすぐに広まった。













朋「ちょっとちょっと桜乃〜!!」




教室に慌てて入ってきた朋香に、桜乃は目を開いた。




桜「ど、どうしたの朋ちゃん」



朋「大ニュースよ!青学にマネージャーが入ったんだって!」



桜「え!?」



朋「しかも!リョーマ様の恋人とかゆう噂よぉ」




朋香は本当に落胆した様子で、顔を手で覆う。



あまりにも大声だったので、教室にいた全員が朋香を見た。




桜「で、でも…噂じゃないの?」



朋「それが、この前リョーマ様といるところを見たって言う子がいるのよ!
頭なでなでされてたんだって〜!」




「私もされたことないのに」と付け加えて、朋香は悔しそうに嘆いた。




朋「行くわよ桜乃!」



桜「行くって…?」



朋「リョーマ様ファンクラブとして、黙ってられないわ!
徹底的に調べてやるのよ」



桜「(な、なんとゆう行動力)」




ガッツポーズを取り火花を散らす朋香の気迫に、桜乃はただ呆然としていた。














そして、翌日の土曜日





木の影からコートを覗く2人の姿。




朋「あっあの子よ!
だってタオル渡してる!」



桜乃は言われた通り視線を動かすと、試合を終えたレギュラーの皆にタオルを渡している女の子の姿があった。



後ろ姿なのでよくは見えないけれど。




朋「よし、チャンスね。
行くわよ〜桜乃!」




1人で蛇口の方へ歩く様子を見て、朋香は飛び出し後をつける。




桜「ま、待ってよ!朋ちゃん」




慌てて桜乃も付いて行く。




朋「ちょっと良いかしら」



桜「(朋ちゃん、それじゃイジメてるみたいだよ)」




蛇口の水でタオルを濡らしていた女の子が手を止め、振り向いた。




雪のように真っ白な肌、丸くて大きな瞳、桜色の唇、さらさらでウェーブのかかった栗色の髪。

2つに緩く結んでいるけど、小柄な体型にすごく似合っている。



まるで、




朋「(…フ、フランス人形みたい)」




朋香は怒気を忘れ、目の前の少女を惚れ惚れと見つめていた。




桜「りんちゃん!」



『桜乃ちゃん!』




桜乃の声でハッとして我にかえる朋香。




朋「知り合いなの?桜乃」



桜「うん。大会の時に会って…」



『びっくりしたぁ、桜乃ちゃん急に後ろにいたから』



桜「私も驚いたよ。マネージャーになったんだね」



『うん!』



朋「ち、ちょっと待って!」




和やかに話す2人を見ていた朋香が、急に間に入った。




朋「私が聞きたいのは!
リョーマ様とどーゆう関係かってこと!」



『関係…?』



朋「そう!」




朋香は肩を掴んで話す。



後ろから桜乃の声がするけど、今の彼女には聞こえていなかった。




りんは暫くきょとんとしていたが、すぐに理解したかのように頷いた。




『越前りんと言います。
関係は…双子の妹です。』



微笑んで話すりん。


朋香は再び呆然と固まるのであった。
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