pure love

□青学
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*りんside*



あれから病院を出て向かった先は…




『かわむら すし?』




目の前にはお寿司屋さん。



竜「そんじゃ、私らは先に帰るよ」



リョ「…どこっスかここ」




不思議そうにしてるお兄ちゃんに、竜崎先生は「開けてみろ」とだけ言って行ってしまった。


私は桜乃ちゃんに小さく手を振る。



まだ状況を理解しきれないけど、お兄ちゃんがお店のドアを開けた。

…と思ったら勢いよく閉めた。




「ほら越前入った入った」




お兄ちゃんが中に引きずられるように入っていった。



私はどうしたら…


中を覗いてみると、お兄ちゃんがお茶を持たされていた。




「「乾杯ーっ!!」」




乾杯の声が聞こえた。


そっか、優勝祝いだね。


えと…私はいても良いのかな。




「あれ?君は?」




どうしようかと思っていると、中から男の人が声をかけてきた。




リョ「…りん、来なよ」




お兄ちゃんが私の方に来て手招きしたので、コクンと頷いた。


遠慮がちに入って行くと、皆が一斉にこっちを見る。


うう…緊張するよ〜




「あれ?りんじゃん」




桃城先輩がにっと笑ってくれた。




「誰々〜?おチビの彼女?」




カ、カノジョ!?


彼女ってゆうのは、Sheとか恋人…



私が混乱していると、お兄ちゃんが「違うっスよ」と即答した。




桃「りんは越前の妹なんだよな!」



『はい。はじめまして、越前りんです。兄がいつもお世話になってます!』




ペコリと頭を下げれば、先輩達は目を丸くした。




「「ええええ!?」」




私、今日何回自己紹介してるのかな…




今度は先輩達の自己紹介が始まった。




「菊丸英二だよん!よろしくね〜」



「不二周助です。越前に妹がいたなんて、びっくりだな」



「乾貞治だ。…ふむ、良いデータが取れそうだ」




デ、データって何だろう?




「河村隆です。どんどん食べてね」



『え?』



河「ここは、俺の親父がやってるんだよ」




そっか、だから看板に…

河村先輩のお父さんと目が合ったので小さくお辞儀をした。




桃「桃城武だ。桃ちゃんでいいぜ〜
てゆーかもう知ってるよなぁ」



『はい。本当に今日はありがとうございました!』



リョ「りん、桃先輩のこと知ってるの?」



『うん。今日助けてもらったんだぁ』




詳しく言うと心配かけちゃうから、あんまり言わないでおこう。




リョ「…ふーん」




お兄ちゃんは納得したみたいだった。

顔はそうでもないみたいだけど…




「…海堂薫だ」



桃「何だよマムシ、もっと愛想良くしろって」



海「…うるせぇ」



『(マムシ?)あの、宜しくお願いします…先輩』




そう言って微笑んだら、海堂先輩の目がちょっとだけ見開いた。


私変なこと言ったかな?




海「…………おう」




先輩は小さく呟いた。
良い人そうだなぁ…




桃「ぷぷぷ…マムシの野郎照れてるぜ。普段女の子からは恐がられてるからなぁ」



リョ「…りんは人見知りしないっスから」




そんな会話を後ろでしていたなんて、少しも気がつかなかった。




大「大石秀一郎です」




優しそうな人だなって思ってたら、菊丸先輩が「大石は副部長なんだよ」と教えてくれた。




『あの…先生、今日は勝手に参加させて頂いてすみません』




カウンター席に座っている眼鏡の男の人に頭を下げる。
その人は静かに視線を合わせて、何か言いたそうだった。




「先生!いつも隆がお世話になってます。どうです一杯!」




河村先輩のお父さんが身を乗り出して言う。






「…部長の手塚です」




……そ、そうだったんだ。



『ご、ごめんなさい!』



「こりゃあ、すまねぇ」



手「いえ」




2人して頭を下げれば、手塚部長は短く返事をした。


後ろで笑いをこらえた笑い声が聞こえた。
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