pure love

□地区予選決勝戦
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‐朝‐



菜「叔母さま、おはようございます」



倫「おはよう菜々子ちゃん」



菜「あら?りんちゃんは…」




姿の見えないりんを探す菜々子。


いつもなら誰よりも早く起きて、朝食を作っているはずだった。




倫「あの子ならお弁当持って朝早く出かけたわ」



菜「リョーマさんの試合を見に、ですか?」



倫「あら。菜々子ちゃん驚かないのね」



菜「ふふ…りんちゃんは、そうするだろうと思ってましたから」




2人はこの場にいないリョーマとりんを思って苦笑を漏らした。


















『どうしよう…』




その頃、りんは悩んでいた。
兄の試合が見たくて後ろから着けて来たのだった。


来てしまったのは良いとして…




『(お兄ちゃん何処にいるの?)』




しっかり着けて来たつもりだったのに、途中で見失ってしまったのだ。


周りを見渡すと試合を見に来ているだろう人達が大勢いた。
りんは必死になって兄の姿を探すけれど、見当たらない。




「あの…」




りんが振り返ると髪の長いみつ編みの女の子が立っていた。




『はい?』




その子は言いにくそうに顔を赤くした。




「だ、男子決勝はどこのコートでやってるんですか?」




様子からして、りんと同じ状況だろう…




『すみません…私も今探している所なんです』




申し訳なさそうに言うと女の子は「そうですか…」と言って、肩を落としてがっかりした。




『あの、良かったら一緒に探しませんか?』



「えっ」



『一人より、二人の方が心強いですし…ね!』




りんが優しく微笑むと、女の子は遠慮がちに頷いた。
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