beloved

□偽りの恋人
2ページ/8ページ






―りん、





お兄ちゃん…?





リョ「りん、白石さんが来たよ」



『……え、え!』




何でいきなり?嬉しいけど、心の準備が…っ




白「りんちゃん」



『ごめんなさいあの、私まだパジャマでして!えと、』



白「…跡部と付き合うてるってほんま?」




ほ、ぇ…?




『えっと…何処に?』



白「跡部の女になったって聞いたけど」



『!!』




そ、それは丁重にお断りしたはずで…
しかも何で白石さんが知って…?




白「…俺に隠してたんやな」



『!違いますっ跡部さん何か間違って…それに、跡部さんが私みたいな子好きになるはずがないとゆうか…っ』



白「りんちゃんは鈍すぎる。もううんざりや」



『白石さ…』




っ待って…!




リョ「りんがそんな女だと思わなかった」




お、お兄ちゃんまで!?




違うの、



違う、





ちが……










『違うんですぅー!!』



リョ「何が?」




ガバッと勢い良く身を起こし辺りを見渡すと、お兄ちゃんが呆れたように溜め息を吐いた。




『(ゆ、夢…?)』




お兄ちゃんの腕から抜け出したカルピンが私にすり寄ってきて、こっちが現実なんだって思えた。



す、凄い夢だったな…

バクバクする胸を押さえていると、そんな私にお兄ちゃんは眉を寄せていた。




リョ「…大丈夫?顔色悪いけど」



『だだ大丈夫だよ!』




慌てて首を振る私の額に、ぴたとお兄ちゃんの掌が添えられる。
熱がないとわかると、その掌は私の頭に置かれた。


ぽんぽんと優しく撫でられて、少し驚きつつも頬が自然と緩んでしまう。


私を落ち着かせるためなんだとわかったら、余計に嬉しくなった。




リョ「もう朝食だから。用意出来たら来て」



『あ、ごめんねっ作れなくて』




「いいよ」とお兄ちゃんは背中を向けて出ていった。




昨日、跡部さんから言われた言葉が頭から離れなくて…



目を瞑ってもどうしても眠れなくて、朝方まで起きてたせいで寝坊してしまった。




『(今日が日曜で良かった…)』




ううん、部活が休みで良かった。
お兄ちゃんもだけど、先輩達は私の様子が可笑しいことにすぐ気付いてしまうから。(何でかな?)



余計な心配かけたくないもんね。





自然と溜め息を溢してベットから起き上がった時、机の上の携帯電話が鳴った。


慌てて手に取り、名前を見ても知らない番号で。
?と首を捻りながらボタンを押す。




『?もしもし』



《あ、りんちゃん?》




えっと…




『鳳さん…?』



《うん。おはよう》




反射的におはようございますと口から零れてしまったけれど、暫くして何で鳳さんが?と疑問に思った。




《急に電話しちゃってごめんね。えっと…突然何だけど、》



『は、はいっ』



《今から、跡部さんの家に来てくれないかな?》




……………




頭の中が整理出来ず何も言えないでいると、鳳さんの焦った声が聞こえた。




《跡部さんが話したいそうなんだ。りんちゃんが誤解してるからって》



『跡部さんが?』




やっぱりあの言葉は私の勘違いだったんだ…
そりゃそうだよね、と心の中で自己解決して大きく頷く。




《大丈夫だよ、俺や先輩達もいるから。それに俺も会いたいし…………え》



『え、』



《あ、いやっ会いたいって皆も言ってるよって言いたかったんだ…!本当に気にしないで俺《何言うてんねん鳳!》



『あ、あの…』



《長太郎!朝っぱらから恥ずかしいこと言ってんじゃねぇぞ《ええっ違いますよ宍戸さん!》



『えと…』



《ていうか何でそもそも鳳が電話してんだよ!?》



《岳人それはなぁ、鳳が1番物腰柔らかに誘えるんやないかと言う企みで…》



『え、えっと…』




電話越しに色んな人の声が聞こえてきて、私はどうしたら…?と戸惑っていると、電話の相手が忍足さんに代わった。




《堪忍なぁりんちゃん。今から来て貰うこと出来ひんやろか?》



『は、はいっ今から行きますね』



《ほんまに?》




私が何か誤解してるなら、ちゃんと聞いてあげなきゃいけないし…勝手に勘違いしてたことも跡部さんに謝らなくちゃ。




《ほんなら、用意出来たら外出て来てや。迎えが行っとると思うから》



『へ?む、迎えですか?』




キョトンと目を丸くしながらも小窓から覗いてみると、家の玄関の前に高級そうな車が停まっていた。


明らかに目立っていて、近所の方達が呆然としているのが目に映る。




『(…は、早く行かなきゃ!)』




このままじゃご近所さんに妙な噂が流れてしまうと、電話を切り慌てて用意をし始めた。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ


©フォレストページ