pure love

□妹と弟
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*りんside*



シングルス1の試合は、タイブレークまでいったけど7−6で聖ルドルフの勝利だった。



シングルス2は海堂先輩や桃城先輩が次々と必殺技を決めて、青学は勝利した。
(スマッシュが当たっちゃった人…大丈夫かな)





何だかんだ言っても、2人は良いコンビだと思う。














『先輩!お疲れさまです』



桃「おっサンキュー」



海「……フシュ〜」




試合を終えた桃城先輩と海堂先輩にタオルとドリンクを渡す。




菊「とにかく1勝ー!!」



菊丸先輩と他の部員達は、両手を上げて嬉しそうだ。




(そういえば、お兄ちゃんがいない)




試合に夢中になっていたため、隣にいないお兄ちゃんに今頃気づいた。




(次の試合だったよね…)




先輩たちに一声かけて、早足でお兄ちゃんを探しに向かった。














コートとは離れた場所に行くと、壁にボールをぶつけている音がした。




(お兄ちゃんかな…?)




近くに寄って見てみると聖ルドルフの生徒だった。



その人が打ったショットが急に跳ね上がって、上のフェンスに挟まった。




(…すごい)




あの角度からあんな球が打てるなんて…





思わずじっと見つめているとその生徒と目が合った。



目を見開いて私を見返す。




「……あんた、誰だよ」



『え、あの…』




疑うように目を細められた。




『ごめんなさい、兄を探しに来たんです…勘違いしちゃって』




私がそう言うと、男の人は短く「そうか」と頷いた。

それにしても、さっきのショット…



跳ね上がる感じが、お兄ちゃんの打つツイストサーブと似てるな。




「兄って?」



『次の試合に出るんです。青学の…「裕太?」




言いかけたとこで後ろから聞き覚えのある声がした。


振り返ると、不二先輩が笑顔で手を上げていた。




不「あれ、りんちゃんと一緒だったんだ」



『?は、はい』



2人の関係が理解出来なくて思わず首を傾げる。

裕太さん?を見ると、さっきとは違って嫌なものを見る目をしていた。




不「元気そうだね裕太。どう?寮生活には慣れた?」




そんな様子を気にしないで、ニコニコと話しかける不二先輩。






裕「…俺は、全身全霊を賭けてその1年を倒す!」



不「そう簡単にいくルーキーじゃないよ」




(ルーキーって…)




裕太さんは「やってみないとわかんねーよ」と言って背中を向けて歩きだした。


一瞬目が合った気がした。






不「ごめんね、裕太があんなこと言って…」



『いえ!あの、それより…』




申し訳なさそうに言う不二先輩に慌てて首を振る。




私が何を言いたいのかわかったのか、不二先輩はゆっくり口を開いた。




不「裕太はね、弟なんだ」



『!』




(だったら、何で…)




さっきの裕太さんの顔を思い出し不思議に思った。







不「ところで、越前は見付かった?」




不二先輩の言葉にハッっとして我に返る。




(そうだ、お兄ちゃん!)






私は不二先輩に別れを告げて、再びお兄ちゃんを探しに走りだした。
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