※ルリちゃんキャラ捏造注意
※流血表現あり
・パロです
死ぬ、と思い、自らが生きていることを自覚した
視界は真っ白でぴかぴかとしているのに周りの景色は黒ばっかりのなかに赤、少しの赤
どれだけ呆けていたのか、救急車の音が遠くから聞こえてそのまま私は意識を閉ざした
エラー、エラー
コミュニケーション異常
五体は満足
感覚は正常
エラー、エラー
ハロー、ハロー
「目が覚めた?」
ぱっちりと目を開けばしっかりと視界に入って来る黒
眠そうな瞳には髪の毛がぐしゃぐしゃの私がいて混乱する
おはよう、となんでもないかのように声を掛けて来る男性を私は知らない
脳のデータベースに記録はない
でも何故だろう
安心する
なんて
安心なんて感情を私が持っていればの話だけど
「状況把握出来てる?」
無感情に尋ねられて正直に首を横に振る
まず、ここはどこ?
「君、外のベンチで倒れてたんだよ。最初は寝てるのかもと思ったけど、女の子があんなとこで寝てるなんてなんかおかしいし、熱中症になるよって声掛けようとしたら意識ないみたいだったから運んだんだ。ここは大学の医務室」
飲む?とミネラルウォーターの入った未開封のペットボトルを渡され有り難く頂く
水を少しずつ口に含みながら今の彼の言葉を理解していく
外、というのは多分キャンパス内のことだろう
ならこの人は、教授には見えないから同じ学生だろうか
半分くらい飲んで、お礼を言ってペットボトルを返すと何事もないように彼も同じようにそれに口をつけた
ナチュラル過ぎてびっくりする
「君、なんであんなとこで倒れてたの?
熱中症?」
「多分、」
多分、日光のぴかぴかがあの事故をフラッシュバックさせたのだろう
そして脳が思考を切った
意外と繊細な自分の身体に嘲笑が込み上げる
熱中症になんて掛かるような造りはしていないのに
「綺麗な白い肌が赤くなっちゃうよ、今後から気をつけてね」
本当に何事もないように綺麗なんて言うから否定するタイミングも逃して赤くなる
でも私には日焼けするような身体はないんだ
「…、もう大丈夫そうだね。じゃあ、また縁があれば会おう。俺は文学部の平和島幽、またね」
自分が名乗る隙もなく彼は無表情に少し笑みを貼り付け手を振り出ていった
入れ替わりで事務の人が入って来る
気遣われたり説明されたりする中、呆然といまの彼、平和島さんのことを考えていた
表情がない、機械みたいなひと…
いや、機械は私か
彼に失礼過ぎる
感情のない機械の私はただ呆然と感情らしきものを持て余した
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