06/30の日記

11:46
二重人格赤司の兄弟仲良し計画(没)
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※途中で終わります
※書いてる時は楽しかったが一回休憩挟んだら『なんだこの駄作、面白くもなんともない』となったため途中で終わります
※WJネタバレ(2014年30号)




赤司征十郎は孤独だった
なににでも完璧であれと教えられ、なににでも完璧であることが出来た、そんな彼
優しい母が残してくれた、唯一の心の拠り所であるバスケ
それすら赤司に一番たれと赤司を苦しめ、生まれて初めての敗北が見えたとき、赤司は恐怖した
負けることがただ、怖かった

勝利への渇望なんかじゃない、敗北への恐怖が、彼を崩し、
彼を生んだ

「それが、オレと僕、赤司征十郎の有り様だよ」

「はぁ、そうですか」

唐突に始まったカミングアウトに黒子が気の抜けたコーラのような返事をする
オレは何故ここに呼ばれたのですか黒子先生
降旗光樹、16歳
絶対的に場違いです

「そう気の抜けた返事をするな、相談事をするのにこちらの心境も明かさないままなのは些か不条理というものだろうと思って少し話しただけだ、聞き流してくれても構わないよ」

「はぁ、そうですか」

WCの時に感じた場違い感以上の居心地の悪さにオレは今苛まれています
だって今ここマジバには、赤司と黒子とオレという、意味不明な3人が集まっているのだから、
どう考えてもオレはいらない状況だ
この状況の原因は、数分前に遡る
黒子と二人でバッシュを見に買い物に出掛けていた部活完全オフの今日(火神も誘ったのだが火神は「今日は写真集が特売日で挽き肉だから青峰がハンバーグなんだ!ごめん!!それにお前らと一緒に行くとなんだかんだバスケするの我慢出来なさそうだし!」と断られた)
そんな中、わざわざ京都から出てきたらしい赤司から黒子へメールが入った
内容は『相談したいことがあるから今から会えないかな』というものだったらしいのだが黒子はオレに「なんか赤司君がこっちにいるから会いたいそうです、降旗君も来ませんか?」としか言わなかったのだ
黒子としてはもともと約束していたオレを置いてそちらに行くのも京都から一時帰省している赤司の誘いを断るのもどちらも憚られたのだろうが、オレとしては罠に嵌められた感がある
だが前のようにキセキが全員集まるとかじゃないとも言われ、試合後の赤司の様子も少しは穏やかだったのも思い出されてついつい
「オレも赤司君とちょっとだけ話してみたいかなぁ」
と言って仕舞った
これこそがそもそも間違いの元凶である
同じPGとして最上級プレイヤーである彼とちょっとだけお近づきになれたらな、なんて思ったのが間違いだった
しかも赤司も断ればいいものを、なにゆえかオレが着いて行くのをオッケーしたのだからオレは(あぁやっぱり赤司はあの火神のほっぺた切りつけたあの頃の赤司とは変わったんだな)なんて穏やかに思ったのだ
ああ、オレ、間違いをおかすな
赤司はいつだって、赤司征十郎なのだ
などと悲観してそうは言ったが、オレの姿をみた赤司はハサミの刃を向けたりなんかしなかった
持ち前の記憶力からかオレの名前を覚えていてくれた赤司君は、試合の時のこととかあいさつ程度にちょっと話してくれて、
オレはそこで帰るべきだったのだ
だけどチーズバーガー注文しちゃってたし、赤司もてりやきバーガー食べてたし、黒子はバニラシェイクだけだったけど、なんとなくのほほんとしちゃったんだ
そして帰るタイミングを完全に逃したまま、冒頭の話が始まる

「君にもぜひ意見が聞きたい」

赤司はそう言った、オレに向かって
彼の人生で関わることがもうないだろうってくらい無関係の人間だからこそ話せることもあるのかもしれないし、そうした客観的な視点だからこそわかることもあるのかもしれない
赤司はそう思ったのかな?なんて考え、オレもその場に居合わせた
あの赤司君がオレに意見を求めてくれてる
という事実が、きもちよかっただけなのかもしれないが

「それで、わざわざ京都から出てきてまでしたかった相談事とはなんなんですか?」

意外とズバズバいくんだな、黒子、とか思いつつ気の抜けたコーラを啜る
氷も溶けかけていてあまり美味しいとは思えないが、この状況より不味いものなど世界中どこを探しても多分2つくらいしかないだろう(そのうち1つはカントクの…)
いや、このアウェイな状況を回避出来るならカントクの料理だって喜んで食べ…、うん…、どうだろう
やっぱりオレも命は惜しい
目の前の赤司が、どちらの瞳も美しいまでの真っ赤なのが、まだ命の危険はないとオレに伝えてくるようだった
(片目が薄赤だったら危なかった)
そう、赤司の人格は、まだ二人のままだった
オレはWC後は今日会ったのが初めてだが黒子伝で何度か赤司の様子は聞いていた
消えるかと思われていた赤司の『僕』のほうの人格は赤司の中に残り、共存しているらしい
然るべき病院行けよ、とは言えるわけがなかった

「あぁ、そうだったな。…少し恥ずかしいのだが、実物を見てもらった方が早い。二人共、これを見てくれ」

渡されたのは、赤いドット柄の普通のノートだった
少し困った顔をして微笑んだ赤司にそんな顔するんだと見とれつつそのノートに視線を落とす
表紙には何も書かれていない
黒子が受け取り、失礼します、と声をかけてノートを開いた




『1月1日 曇り
新しい年が始まる。これを区切りに、今日から交換日記を始めようと思う。
オレ達は情報伝達が必要だ。
これからよろしく。
赤司

あけましておめでとう。
交換日記とはいい考えかもな。お前が起きている時に僕がいつも見ていられるとは限らない。情報交換は共存のためにも必要だ。
これからよろしく。
赤司


1月2日
僕が出ている時、お前はいつも見ていられるのか?
やたら頭の中で叫ぶのは止めろ。
今日は部活もまだ休みだし書道と華道の稽古をした。
乗馬する時間があったから楽しかったが、少しはバスケもしないと鈍ってしまいそうだ。
P.S.字も全く同じだし、文の最後に赤司と書いても区別しづらいからお互い別の名前をつけないか?例えば僕が赤司Aでお前が赤司Bとか
赤司A

いつも見ていられるわけではない。眠ってしまうこともあるのは君と一緒だ。
あれは君が勝手に前髪を切ろうとしたからだろう!しかも鏡も見ずに!
それにやたら頭の中で叫ぶのは君も同じだ、止めてくれないか。
今日はオレの方はピアノの練習をしたくらいだな。早くバスケがしたい、同意だ。
P.S.自分が書いたものかどうかくらいわかるだろう、却下だ。あともし付けるならオレがAだろ普通に考えて
赤司A


1月3日
明日から部活だ。どちらが先に出るか話し合おうじゃないか。
今日は殆ど僕がでずっぱりだったな、ロードワーク、経済学の勉強、茶道の稽古、詰め将棋などをしたが代わり映えのない1日だった。
父は相変わらず忙しそうだ、結局三が日が過ぎても帰って来ないらしいと父の秘書が言っていた。
P.S.確かにそうだがこれから長らく共存していくつもりだしあった方が便利だろう。何故お前の方が赤司Aになる
赤司

部活には是非ともオレが出たいものだが今回は君に譲るのがいいだろう、彼らにとっての赤司は君の方が長い。だが一度は交換してくれ、黛達にあいさつがしたい。
今日オレは殆ど寝ていたらしい、変わったことはしていないだろうな?
父はいつもそうだろう、帰って来ても気を遣うだけだ。
P.S.なるほど、オレ達の間で必要なくとも呼び名がないと周囲が困るかもな。オレの方が元なのだからオレがAに決まっている
赤司


1月4日



続かない
 

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