06/13の日記

22:45
天国手前からのラブレター
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夢と死ねたとBL注意
設定はこれ
 













 
 
ずっと
ずっと一緒にいたかったよ

思えば長い間一緒にいたね

あの日、あなたにとってははじめて会った日、雨の降りそうなじめじめした曇り空が気にならないほど緊張していた私をあなたは知らないでしょう
それから私がどれだけ幸福だったか、あなたは知らないでしょう
自分に自信が持てない私はいつもめそめそと泣いてはあなたや彼等に助けられて来ましたね

あの子が出来た時も、あなたに言えずうじうじしていました
私に人間一人を育てられるような器量はとてもじゃないけど無いと感じ、また、仕事が起動に乗っていたあなたに迷惑を掛けるんじゃないかと、言い出せませんでした
とても怖かったのです
今思えば、あなたになんて失礼なんだろうと思います
勿論、あなたとの子が出来た時、私は泣くほど嬉しかったの
でもそれ以上に怖かった
全て杞憂に終わりましたけどね

遺してきたものは数知れず
一番はあの子を育て切れず逝く悲しさを
そしてあなたと彼等への感謝を
私は何も、あの子へもあなたへも彼等へも何も伝えられなかった
心残りばかりです

だけど、任せて大丈夫ですね?
あなたにもあの子にも彼等がいるし彼等にはお互いがいます
私がいなくても、大丈夫ですね?
私があなた達を遺して逝った直後を実は私、見ていました
あなたは見るからにやつれ、食事も摂らずあの子の泣き声にも気付かず、涙も流さず、まるで何かを待っているかのようにじっとしていましたね
覚えていますか?
多分、記憶もはっきりとしていないのかと思います
ごめんなさい
私、そんなあなたを見て、嬉しかった
心配でした
あなたが私を追い掛けて来るのではないかと怖かった
でも、確かに嬉しかったの
ごめんなさい
愛を、感じて仕舞ったの
でも彼等のお陰で、あんなに生気を感じられないあなたもそこに留まることが出来ましたね
安心しました
が私がこちらに来て初めて流れたあなたの涙を見て、安心しました
あの子と一緒に泣き喚くあなた達は心底愛しかったわ
そして、もう大丈夫だと思ったの
そこからはもう見れませんでした
あまり向こうとの間に留まると戻れなくなるらしいんです
だからあなた達を遺して、私は先へと進んだんです

ここからはあなた達が見えません
ここは、あの世へ渡る手前です
ここであなたを待っています
待っていますから、なるべくゆっくりと来てくださいね
私の愛しいあの子をよろしくお願いします
彼等をよろしくお願いします

あなたは生きて

愛してる
大好きよ
だから、ゆっくり来てね
私はいつまでも、いつまででもあなたを待っているから

それからはずっと
ずっと一緒にいましょうね



宮地清志様へ

宮地●●●より
























「バカ、轢くぞ」

「やだ、あの時のまんまじゃないですか」

「お前もだろ、制服なんて着やがって」

「あなたもじゃないですか。というか、早くないですか?」

「緑間と高尾に任せて来たから大丈夫だろ」

「彼等にはお世話になってばっかりですね。…和真は、元気ですか?」

「オレもあいつらの世話したしお互い様だろ。和真は心配ねぇよ、元気だ。だが結婚出来るかは、怪しいな」

「えっ」

「あいつ、だって、オレらの子だぞ?」

「あ、あぁ、成程。なら、別に問題ないですよ。大切なヒトが出来たのなら」

「多分だけどな、大丈夫だろ」

「真君と和君は、」

「相変わらずうっせぇほど元気だわ。つか、他に言うこと、あんじゃねぇの?」

「…なんて言って欲しいんですか?話したいことも聞きたいことも、山ほどあります」

「お前が一番言いたかったこと言えば?」

「……、清志さん」

「おう」

「清志さん、清志さん清志さん清志さん!!会い、…愛してます!!!」

会いたかった
なんて今更ですよね

「オレも」





END


 

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