暗き道

□白と黒、光と闇 〜第二章・思い出してしまった感情〜
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「はぁ?探索部隊と連絡が取れなくなった?」
ラビはコムイに突然言われて戸惑う。
《悪いけど探してくれる?》
「今更だけど、コムイって案外人使い荒いよな…」
《………えぇ?なぁんのことかなぁ…》
うわ、こいつ自覚してるよと、ラビは思う。
「まあいいわ。探しとく。」
「ラビさん!アレンさんが目を覚ましましたよ。」
シャルロットがドアから顔を覗かせて声を掛けてきた。
「分かった。じゃあな、コムイ。」
《え?ちょっとラビ?アレンくん…どうし…》
ラビは最後まで聞かずに通信をきった。そしてアレンがいる部屋に向かう。
「アレン、大丈夫か?あ、俺今から探索部隊の奴ら、探してくるから、大人しくしてろよ?」
ラビはアレンに声を掛けた。アレンは目を覚ましたばかりだからか、ボーっとしている。
「じゃ、シャルロット、俺人探しに言ってくるから。」
シャルロットは分かりましたと頷いた。
ラビが部屋を出ると、ようやく頭がはっきりしてきたのか突然起き上がって、窓を開けた。
「アレンさん?」
「シャルロット、あまり大きな声を出さないで。ラビが気付いちゃう。」
アレンは笑いながらそういった。体をかがめて窓から飛び降りようとする。
「アレンさん!?」
「少し出かけてくるね。ラビには秘密だよ?」
そう言うとアレンは落ちた。シャルロットは下を慌てて覗く。だが既にアレンの姿はない。
「…アレンさん…壁を通り抜けた…?」
普通に窓から出られる筈がないし、通り抜けたように見えた。
「…あ、コートくらい着ていけばいいのに…」
シャルロットは気付いて呟いた。

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