その他アニメ*ゲーム

□開かずの間 〜あれから6年〜
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『開かずの間』から解放されてあっという間に刻は過ぎて行った。




[外に出たら色んな所に一緒に行こう]とルイと約束をした私は沢山の場所にルイと出かけた。





遊園地に水族館、動物園、美術館…そして有名なおもちゃ博物館。

博物館では私より年下なのに大人っぽいルイが珍しく目をキラキラさせて作品を食い入るように見ていて、やっぱりパトリックさんの子なんだなぁと、なんだか心がほっこりした。





そんな事を思い出していたらついつい思い出し笑いをしてしまった。







「何笑ってんだよ?」


「ふふ…ううん、なんでもない」


「あ、そ…。まあ、いいけど。」






先ほどから何かを作り始めている彼。
作業に集中するといつもより余計に口数が少なくなるのだけれど、そんなルイを気づかれない程度に観察する時間が好きだったりする。








「何作ってるの?」


「さっきから見てるのに分からない?」


「あれ、バレてた?」


「さっきからジロジロ見てて気づかない方が変だろ?」


「ごめんごめん、だって何かを作ってる時のルイとっても楽しそうなんだもん」





感情をあまり顔に出さない彼だけど、こうやって何かを作ってる時は表情が少し和らいでいる気がする。






「まあ、作る作業は嫌いじゃないけどさ…ーーーそれにジーナと過ごすこういう時間も嫌いじゃないし」






初めてルイと出会ってから6年もの月日が経った。今私は20歳、ルイが18歳。あの頃はお互い子どもで恋愛感情なんてなかったし、それ所の状況じゃなかった。


だけどこの数ヶ月ルイと過ごして、空白の6年間を埋めるかのように色々話したりしていくうちに、どんどんルイのことが好きになっていった。







「私もルイとこうやってゆっくり過ごすの好きだよ」





ルイは2つも年下なのに大人でクールで、そんな彼と話すだけで私はいつもドキドキしてる。







「好き…か」





そう呟いて立ち上がると、彼はフランス人形のフランちゃんの元へと足を向けた。
フランちゃんはこの世界に戻ってきた時、私の腕の中に居たのだけれど、喋ることはなくなってしまった。

だけど私たち二人にとって大切な友達に変わりはない。だからフランちゃんが寂しくないようにと、今はルイとよく過ごすこのリビングの椅子に座っている。




人間用の椅子なのでフランちゃんにとってはスペースの余る大きい椅子。ルイはフランちゃんの隣に男の子の人形を寄り添わせるようにそっと置いた。






「ルイ…その子は」


「フランも俺たちだけじゃ寂しいと思って、まあ…あいつの男の趣味なんて知らないけど居ないよりはいいだろ?」


「うん、とっても素敵!
まるで…「まるで恋人みたいだろ?」





言おうとしたことを先に言われてしまい驚いた。








「ーー…なあ、ジーナ。もし俺がジーナとそういう関係になりたいって言ったらどうする?」





「………っ、え?」


「予想通りの間抜けヅラ…やっぱそういう反応か、まあ分かってはいたけど。
…キッチン行って飲み物もってくる。戻るまでにその言葉の意味理解してろよ?」





少し笑みを含んだ口調で言うと、部屋から出て行ってしまったルイ。
少しの間、放心状態だったけれどその言葉の意味を理解した私は思わず固まってしまった。






「まさかルイが同じ気持ちだったなんて…」




とりあえずこの火照った顔を何とかしないければとルイが戻る前に洗面所に急ぐのだった。





END
2014.8.31





そしてジーナが部屋から出た後。



『はあ、ようやくね…ここまで来るまで長かったわ。2人がくっついたらサプライズで出てこようと思ってたのに、まさかこんなに時間がかかるなんてね。おかげで出るタイミング失ったじゃないの。
さてと、どうやってあの2人を驚かそうかしら?ふふふっ、今からとっても楽しみだわ。

……それにしてもこの男の子とっても素敵!気に入ったわ。私のことよく分かってるじゃないの』



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