貴方に出会えたこの奇跡
□6話
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その後、洋服を物色するが、窮屈な服ばっかと文句を言う沖田さんを宥め。
Tシャツ、ボトム、インナー、トップス、ジャージ、下着、日常品そして夕飯の食材を買って家に帰った。
家を出た時は焼けるように暑い太陽がサンサンと照らしていたが、夕方になるといくらか暑さが和らみ、過ごしやすくなっていた。
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「私は、夕飯の支度するので、沖田さんは買った服に着替えて下さいね?」
暑さと、人に酔ったのかソファーでボーっとしている沖田さんにそう告げると、私はエプロンを付け、早速夕飯の支度へ取り掛かる。
今日の夕飯はカレーとサラダの予定。ニンジンやジャガイモの皮剥きをしていると後ろから足音が聞こえてくる。
「僕も手伝うよ」
後ろを振り返れば、部屋着として買った黒のジャージと髑髏のポイントがあるTシャツを着ている沖田さんの姿。
先ほどまでは長袖を着ていたため、分からなかったが腕には程よい筋肉が付いており、V字から見える鎖骨が色気をだしていて、私はつい見惚れてしまった。
「なーに?…そんな顔で見てると虐めちゃうよ?」
「!…なっ」
口角を上げ、悪戯な笑みを浮かべる沖田さんに、私は慌てて正気を戻した。
「で、僕は何をしたらいい?」
私の横へ立つ沖田さんは、まな板に乗っている食材を見ながら私に聞く。
「沖田さんって料理できるんですか…?」
「…何、その疑った目は」
私が真顔で訊ねてしまったものだから、沖田さんが少し不機嫌ななってしまった。
「何だったら今から君を三枚卸にして確かめてみようか?」
「す、すいませんでした!」
全く…と沖田さんは、ため息をもらすとまな板に置いてあるジャガイモを手に取った。
「皮、剥けばいいの?」
私が頷くと包丁を手に取り、シュルシュルっと皮を剥いている。
私はその様子を唖然と見ていた。
「上手、ですね…」
「あっちでは食事は当番制だったからね」
口を動かしながらも、手は休むことなく器用に皮を剥いていた。
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