さくらの誓い
□９章
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斎藤さん、沖田さん、千鶴と共に稽古場へ移動すると、すでに数十人の隊士たちが稽古をしている最中だった。
その中には…、
｢ん…琳珈に千鶴？何でこんな所にいるんだ？｣
｢なんだ斎藤たちも稽古か？｣
隊士たちに稽古をつけていたと思われる左之さんと新八さんの姿
｢左之さん、新八さんお願いがあるんですけど、少しだけこの道場使わせてもらえません？｣
しかし沖田さんは、新八さんの質問を返すことなく、２人に早速話しを切り出した。
｢別に構わねぇが…何する気だ？｣
左之さんは、私たちを見て心配そうな表情を浮かべている。
｢大丈夫、ただの手合わせですよ｣
そうにっこり言葉を返すと、沖田さんは稽古をしていた隊士の人から竹刀を２本奪うように取り上げ私に１本渡し、私の手を引いて道場の中央へと連れてきた。
隊士の人たちはそのことに対して騒々と今から始まる事について話しをしていて、左之さんたちは心配そうにこちらの様子を伺っていた。
｢大丈夫、少しは手加減してあげるから…君は遠慮しないで全力で打ち込んできていいよ｣
そう沖田さんが発すると同時に一瞬にして場の空気がピリピリし始め…騒々しかった道場は静まりかえる。
立っているだけで、両腕に鳥肌がたち竹刀を持つ手が汗で滑る。
｢わかりました…。｣
私は深呼吸をすると、竹刀をぎゅっと持ち直し、全神経を集中させる。
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