さくらの誓い

□8章
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カチャ…










「じゃあ、――…次は僕らの番だね?」









沖田さんが刀を抜いたと思ったら、その矛先は私へと向けられていた。












「わ、私ですか…?」








私は自分を指差し、沖田さんに問い掛けた。












「勿論、最初に会ったときから一度手合わせしてみたいなあと思ってたんだよね…」









刀をいじりながら、私に満面の笑顔を私に向けている。
その瞳はまるで子供のようにキラキラしていた。













――最初に会った時というと、化け物のようなの相手に私が竹刀で戦っていた時だ。












「…総司」


「大丈夫だよ一君。
琳珈ちゃん相手にまだ真剣は使わないから」








心配してくれている斎藤さんを余所に、無邪気な笑みを浮かべ、刀を鞘に戻す。












まだって…いつかは真剣でやる気なのかな…という不安が浮かび上がる。










しかし同時に、天才と言われた沖田総司の剣を受けてみたいと思うのは矛盾しているのかもしれない。













「竹刀で手合わせしてよ」







口元は笑っているが、その目付きは真剣そのものの沖田さんに、私は静かに頷いた。













勿論、沖田さんと戦ってもみたいということもあるが、やはり外に出たい。













「沖田さんが私を認めてくれたら、私にも外出許可くれますか?」




「僕に勝てたらね?
でも僕は、…一君みたいに優しくはないよ」







ゾクリと背筋が震えるぐらい鋭い口調。そして口角を上げ、楽しそうに微笑んだ。






END
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