マルオカくんとフシギナお弁当屋さん
□本編
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―――カランコロン……
口が達者そうなおばさんがドアを開けハンカチでおでこやら鼻やら汗を拭いている。
「いらっしゃいませ!」
奥から鉢巻を付けている少年が出てきた。
「あら、マルオカ君、毎日ご苦労様ね〜」
「いえ〜。もう慣れましたから」
鉢巻少年、マルオカは照れながら言った。
「“マルオカ君”っていう呼び名をやめて今日から“マルちゃん”って呼ばしていただくわ!」
「や、やめてくださいよ〜。なんか『ちび○子』と一緒じゃないっすか〜!!」
おばちゃんの迷惑な呼び名にマルオカは嫌々ながら言う。
「んじゃー『マルオちゃんで!』」
「もう……『マリオ』でも『まりも』でも勝手にしてください……」
とこの少年諦めたようだ。
こんなことに体力なんか使いたくない。だってこの少年、受付係しているし配達係もしている。所謂掛け持ちしていることになる。
何故他の人にやらせないのか!?という前にこの次で理由がはっきり分かる。
「ごめんごめん〜。んじゃ丸の内弁当と南蛮チキン弁当を一つずつね!」
「分かりました!それでは630円になりますね!!」
払い終わった後、おばちゃんは
「んじゃ家までよろしくね★」
と手を振って出て行った。