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□過去拍手
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「リーマス、大好き!」
「…………………え?」
突然何を言い出すんだろう、この子は。
何の脈絡もなく告げられた告白。普通なら呼び出して言うだとか、呼び出さなくともこう、恥じらうとかあるはずのものだ。
だけど僕の隣ににいる彼女はそんなもの感じさせることなくサラリといってのけた。
ていうか恥じるとかがすでに僕の空想の域なのだろうか。
「…んーっと、今なんて?ごめんよ、うまく聞こえなかったみたい」
「だからねリーマス、大好きだよってば」
「…………」
いや、告白されるのは嫌なことじゃないさ。もちろん嬉しい。
だけどさ、
今授業中だってこと分かってる?
「あの、さ。すごく言い難いんだけど、今授業中だよ」
「うん、分かってる。だけどリーマスがあまりにも可愛いもんだからさ!ついついお口がペロンとね!」
てへっと笑って舌を出す。語尾には星がついてそうなノリだ。
「…なんでいきなり……。ていうか可愛いって何のことだいむしろ誰が」
「フヘヘ!照れちゃってまぁ!いやぁね、リーマス以外に誰がいるの?シリウスが可愛いだなんて言われたら、私言った奴撲さt…フルボッコする自信あるよ」
なんか恐ろしいこと言いかけた気がしたけど(『撲殺』なんて言葉僕には聞こえなかった)、僕もシリウスが可愛いなんて聞いたら眼科に行くことを勧めるかな
…って言うのはそこじゃなくて!
「シリウスうんたらは分かるけど僕が可愛いってわけが全く分からないよ」
「認めちゃうのね。だってリーマス細いし小柄だし髪鳶色で綺麗だし指なんて女の子かってくらいほっそいじゃん?俺が守ってやるよ的な?なんかギュッてしたくなるよね」
「僕は男の子だよ。君が変態だってことは分かったよ」
それにまだ成長期だと言うと彼女はへらりと笑い、いきなり抱きついてきた。
「!!!!ちょっ!なな何するの!離して!!」
「へっへっ!離せ触るな言われても!聞いてやらぬが世の情け!」
「意味分かんないから!〜〜〜っ!!ホントに離してってば!誰かに見られるでしょ!先生とか!」
「顔真っ赤だよ、嬉しいねぇ!ウブで可愛いなぁ…フフフフフ。
大丈夫だ少年!私達の席は一番後ろの端っこさ!先生は黒板がお友達だからこっちを見やしないよ!」
抱きつく腕の力が強まる。彼女は本気で離す気がないようだ。
「気づくとしたら生徒だね。だけど問題などないのだよリーマス君!生徒は減点・処罰は出来やしないのだから!ということはだ!君を襲ったってお咎めナッシングってわけさ!
さぁ私の下で鳴け!!」
誰 か 助 け て !
「ちょっ…本気で止めて!それはさすがにバレるから!ていうかイタタタタ!!!倒れないからっておでこつつかないで!」
「意外に力あるな。腹筋緩めろこそぐるぞ。いいじゃない、貞操のひとつやふたつ。かわいがってあげるからさっ!」
駄目だ、この子目がえらくマジだ!こ、このままじゃほんとに…せっせんせぇー!!!(泣)
「………お前ら…何してんだ?」
「あっは!一番にシリウスにバレちゃったね!今から愛について追究するところだよ。目を潤ませちゃってまぁ可愛い!そそられるよ!ねぇ、シリウスもそう思わない?」
「ッ馬鹿!!!(このドS!!!!)」
「………」
結局今日も彼女には敵いません。