Novel 4
□ひとめあなたに
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「あぁっ…あっあっ……あン………………あ………………!」
くちゅくちゅと、混じり、とろとろに蕩ける。
あたしのうえで、苦しそうに頭を振るかれの表情に、あたしは涙をこぼした。
しあわせだ…
死ぬほどしあわせでしあわせで、死ぬほど苦しい。
苦しすぎて…その分しあわせだった。
…ハァ……ハァ…
荒い息遣いが重なって、視線が一度だけ交わる。
「……みゆき……」
辛そうな表情。
あたしだけを見て、あたしだけを感じて。
切なそうな表情だって、今だけは、わたしだけの………
ぎゅっと目を閉じる。
ドロリと、あたしのなかに吐き出された熱いモノに、あたしはひとりでしあわせを噛み締めた。