Novel 3

□ランドセルと機関銃
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「きみは、おいくつ?」

真っ白い顔にきらりと輝いたビー玉のような瞳。

否応なしに清潔さを漂わせるセーラー服の青と赤のコントラストをまとめきる真っ白い肌から除く品やかな膨らみは、突如として僕に襲い掛かる。
じわり。
今年一番の猛暑だと言う今日。
滲む汗は、早まる鼓動は。
ふらつく頭は、そのせいだ、多分。

そんな僕をよそに、ちらりと淫猥に覗く真っ赤な舌。

異性とは。
女性とは。
そして男性とは。

机の上の薄っぺらい保健の授業なんかよりも圧倒的な圧力で、僕を理解させる。


成る程。
これが、女――。





クラスで一番可愛い高嶺かおりちゃん。
例に漏れず、僕だってほのかに憧れていた。

けれど、
目の前の女は、容赦なく幼い彼女を跳ね退け、凌駕した。

女の問に返事を返さないにも係わらず、急かしたり、再び問を繰り返すでもなくじっと待ち続ける女。

沸き上がる興奮を持て余しながら、放せない胸部と臀部への視線を不様にも隠蔽しようとしてしまった。
薄い生地。
滲む汗で微かに透けている…?なんてまさか。

当然、そんな底の浅すぎる計画、バレバレだったんだろうけど。

開いた口の中は、カラカラになっていた。

「…10歳」
「あら、それじゃあ、小学生じゃない」

背中の黒いランドセル。当然見えていただろうに。
皮肉かとも思ったが、本気で驚いている様子の彼女に、こちらも驚く。
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