Novel 3

□closed‐クローズド‐
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閉じられた扉に、私は目線を走らす。

だれも、この部屋にやって来るひとは居ない。

これまでも、
きっとこれからも。

コツコツコツ。

廊下から響いてくる靴音に。
私は縮こまる。

ガチャ。

重々しく、厚い鉄の扉が開く。

溢れ出す廊下の光が眩しくて、私は思わず目を細めた。

逆光で黒く塗り潰された、体格のよい、背の高い男。

「羽子」

そう居って、上で繋がれている鎖を外す。

ガチャリ。
音をたてて落ちた鎖は、一時の安らぎと解放を、私に与える。

「羽子。すまない。君をこんな目に合わせてしまって」

そういうと、首元の黒色のベルトを素早く解く。
着せられた真っ白の衣服に無数に存在するベルトたちは、まるで私をこの場所に縛りつけるための、拘束服。
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