boys

□初めましての転校生C
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「・・・ら・・・よー・・・でらー」


「・・・ぁ・・・?」


ぺちっと耳の横で音がして
重くて真っ黒しか見えない瞼をぎりぎりと開ける。

「・・・よっ!獄寺、朝なのな!」

「・・・なのな!じゃ、ねえええええっっ!!」

薄目をあけた瞬間、一気に覚醒しちまった。

「てめええ!近ぇええええっ!」

「いてっ・・・暴力反対ー」

「どきやがれっ!」

何気に近くでにこにこ笑っていた山本に、拳骨をおとしてから押しのける。

・・・今、6時か。

「・・・あれ?」

「ん?どうしたのな?」

俺が小首を傾げると、ひょいとまたよってくる山本。
しっしっと手を振ってから、じっと見てやる。

「な、・・・なななんなのな?」

「・・・石鹸・・・」

「え?」

「石鹸のにおいがする」

「あ」

くんっと鼻を鳴らすと、山本が「俺?」といいながら自分を指差した。

「・・・朝からシャワーか?」

「まーな!ちょっと汗かいちまった」

「・・・あ、せ・・・!?」

「え?」

一瞬であることないこと想像するのは、思春期という厄介なもののせい。

パアァッと顔に朱がさすのが俺にもわかる。

そんな俺を頭のうえに?マーク出しながら見つめる山本には、いったい俺が何考えたか分かるんだろうか。

「・・・や、山本」

「ん?」

「・・・お前・・・つ、つつつ付き合ってる・・・やつ、いんのか?」

「??いねーけど、何で?」

「あ、いや、その、ほらあのほら!」

ぱたぱたと必死に手をふるが、当たり前に心の叫びは伝わらない。

「・・・?獄寺??」

本格的に訝しみ始めた山本に、俺はまた質問をやる。

「・・・その、何、してた?」

「朝練?」

「は!?」

「・・・え??その、ランニング・・・」

「・・・ら、ランニング・・・」

顔から火が吹いた。
な、なんて勘違いを・・・!!


「なんて思ってたのな??」

「かっ関係ねーだろテメーにはよぉ!」

「・・・ごくでら」



俺がぷいっとそっぽをむくと、スと山本の手が俺の頬にふれた。

「・・・言ってみ?」

「・・・山本が」

「うん」

なぜだか真剣に俺の言葉を待つ山本にほだされて。
貝のようにとざした口を小さくあけて、ぼそりと呟く。

「・・・山本が、せ・・・せ・・・っ」

「せ?」

















「せんぶりとかいう苦ぇ茶を飲んで、もだえ苦しんで脂汗、とか思ってねーから!!」














「・・・。」

絶句。
した山本の前でひらひらと手をふると、やっと三次元にもどってくる。

「・・・どこいってた?」

「ちょっと四次元の扉前まで」

とかいう馬鹿なコトを言いながら、ふうと山本はため息をついた。

「・・・いや、なんかさっき『思春期』のせい、みたいなフリがあったから、てっきり・・・」

「え?」

ってか何で人の心の中読んでんだよテメーは。あれか、エスパーか。

と、心の中でつっこむがこれもまた聞こえているのかと思うとおそろしい。

「いや・・・気のせいなのな☆」

「・・・誰だ、こいつをエスパー設定にしたのは」

ということで、山本は獄寺の心の中が見えなくなった。

「・・・誰なのな、獄寺の心見えない設定にしたのは」

「うぜぇ、うるせぇ黙れこの偽エスパー」

「・・・(泣)」

「・・・うぜ」

けっとはき捨てるように言うと、ふにゃりという笑みを浮かべて山本は。

「でも、嫌いじゃないんじゃねぇの?」

「・・・え?」

「なんてな!ははっ」

「・・・ははっ・・・じゃ・・・ねえええええええええ!!!!!!!」

一瞬不覚にもときめいた俺の・・・俺のピュアピュアハートを・・・!

「か、返しやがれぇえぇええええええええええええええッッッ」







to be continued・・・
亀更新すぎてすいません(´・ω・)
 

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