銀糸

□許可
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「なー獄寺ー」

「・・・あ?」

「・・・あのさー」

「・・・んだよ」

「キス・・・してもいい?」

「・・・ちっ」



許可







ちゅ、と触れるだけのキス

それを落とした張本人は、それがとても嬉しいことだとばかりに、にかっと満面の笑みで俺の頬にふれた。

「・・・んでいつも聞くんだよ」

「え?」

そんなアイツに俺は尋ねてやる。

「だから・・・なんでいつもいいか、ってきくんだよ」

「だって俺獄寺大切にしたいから」

「・・・」

「それにさ、うん、獄寺が嫌がることはあんまりしたくないってゆーか」

「あんまり!?あんまりってなんだよお前!」

「だからきいちゃうのなー」

「・・・シカトかてめぇ」

ぴく、と俺の眉があがるのがわかる中、山本はまたにかっと笑った。



この顔、好きかも


「でもさ、もし獄寺が」

「?」

「聞かれたくないってんだったらきかねーよ?」

・・・なんじゃそりゃ。

たしかに何で毎回コイツは恥ずかしいことをしたがるんだろうとは思ってた。

だって、俺の許可がなくちゃ駄目ってことはさ。

「なんか俺がキスしてって言ってるみたいでやだ・・・」

「え」

「あ」

しまった、つい声にでてしまった。

おほん、と咳払いをして。

「ま、許可なくてもいいんじゃねーの」

「獄寺?」

「今度からは俺が驚かせてみろよ」

「それって・・・」

ふと微笑んでみてやると、案の定真っ赤になってにへらっと笑う山本。



この顔も好き・・・かも


んだよ俺





「・・・獄寺ー!!」

「どわっ・・・てめ、な、何・・・」

「抱きついてるー」

「るーじゃねぇ!何を・・・」

「ん?許可なくてもいいんだろ?」

「いいって・・・てか、ちょ!どこさわって!」

「だって許可なくても、いいんだろ?獄寺」

気のせいか・・・

コイツの後ろに黒いオーラが見える。


少し、ほんの少しびくっとしながら

「・・・てめっぜってー果たす!!!!!」




と、叫んだところで
コイツにはかなわねぇって
トコトン思い知った一日。










END
 

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