etc…World


□WHITEWall
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病院か…?

チクリと腕にいたみがはしり、人が囲い衣服を捲られた。
巻かれていた三角巾が丁寧に外されそっとガーゼが剥がされた。

「目をあけて下さい、見えますか?

何とか言われた通りにうっすらとあけるとぼんやり人影が見え頷いた。

「少し我慢して下さいね…

そのうちに意識が飛ぶ


再び目を醒ました時には、いつもの目が心配そうに覗き伺っていた。

この目に何回助けられたのだろう、ただ傍に気配を感じた。


知らない間に誰か呼んだのか、慣れない薬にさいなまれて、ふわふわとした感覚の中で、訳の解らない夢を見て、寝汗をたっぷりかき、身体を動かされガウンを着せかえてくれた事も、何も覚えていない。
ただ、しっかりと誰かが手を握ってくれてる感触だけは感じていた。

頭がズキズキと痛み、気分が悪くなる、薬が切れる手前なのか、何故か解らない酷く嫌な気分だった。

意識とは関係なく、アタシは吐いてしまう、以前ショックで内臓で出血し、溜まっていた血を吐き出してしまったらしい…

背中を撫でられ躊躇ないくちづけがアタシの溜まった血液を吸い出し、呼吸をとり戻させてくれる。


「誰…

アタシを棄てて
力ない…
アタシを捨てろ
命令だ…


「何、弱気になっているんですか!!
貴方はこの北壁を守る御方でわないのですか!!

先生がスグに呼ばれ、彼はアタシの顔をあの日と同じように拭ってくれていた。


泣いたの何て、これが最初で最後でないのだろか?

涙と血まみれの顔をしっかり拭われ、何もなかった様に身を整えもらい、暫くの間ががっしりした腕の中に居た。

その後も、3日三晩熱を出しては、うなだれ、


やっと正気を取り戻した時には、窓枠の向こうに、あの日とは装い新たに真っ白に雪化粧を施した山脈と朝陽が迎えた。


聞き慣れた声が聞こえてきた。

「貴方の守った景色です。
自然に涙が伝った

おっと…、黙っておけよ…こんな話…


けど、感謝している。

こっぱずかしくて面と向かっては言えないけどな…。

おかしいだろう?

って、笑うなよ!


実は今でも古傷が痛む事あったり、こっそり熱出していたりするけど、機嫌悪い事になっているから…、一応な…。


夜が明ける…、


「白と黒だけではないですよ、空の青もあります。


『馬鹿ヤロウ…』





本当に感謝している…
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