For your LOVE

□風邪と林檎と大佐
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器用に足と肩を使って扉を開け、自室のベッドに寝かせる。

取って付けた様な所に氷嚢と氷枕があって、氷ををほうり込み頭の下と、オデコに宛てがう。
体温計をくわえさせ計ってみれば。
ため息がでる。

「面倒かけるな鋼の…。
しんどいならちゃんと言え。」

夜中に叫び声で飛び起きると、過喚起を起こした鋼のが硬直しているではないか…。

袋がないので、仕方なく、自分を使う。唇をしっかり合わせ、しばらくそのまま呼吸をさせる。

「大丈夫か?」

身体を起こして、抱き背中を撫でたり、リズムよく背中に手を合わせてみる、落ち着くまで甘えさせる。

何時もの技法で。

が…今日は効かない?!

流石にあらっ?て思えば、次は鋼の涙が止まらない。



「あらら今日はどうしたもんかな…。」


甘えさせ過ぎて、甘え癖がついたか?けど、癖が着くほど、こんな甘い?シチュエーションはない。


抱っこをするような姿でエドをしがみつけさせ、器用に手を使って近くの毛布を引っ張り肩にかける。


「どうした?悪い夢でも見たのか?」

「母さんが…」

「あぁわかった。」


「近いんだな…」

「…。」



直に落ち着いてくると、もう一度横たえて、鋼の隣で自分も横になって添い寝する。

困ったコだ…。

シャツを握りしめて離さない手。
「わかったから。」









「って!何でお前!何で横で寝てるんだよ!!
変態!!」

「鋼の!覚えてないのか?」
「って第一に何で、俺こんな所にいるんだ!!」

「こんな所とは何だ、私の部屋だが…。」

「超アンタ、俺に何か…。」
「何かしたかっけど、できなかった。」

耳も顔も真っ赤になって行くのががわかる。

目線を合わされ顔が近づき、咄嗟に目を閉じた。
打たれる

変わりに合わさったのは、オデコとオデコ。
離れそうな瞬間にオデコにキスをされる。

「とりあえず少しは下がったな」

肩を軽く押せば、もう枕の中に頭が沈む。

「氷枕かえるから、おとなしくしておけ。」

しばらく素直になすがままに委ねた。あったかいタオルで顔を拭かれご親切に首筋まで拭われ、オデコに固く絞った冷たいタオルをのせられた。

「もうちょっと寝ておけ。」

「行かないで…。」 

「甘えるな…。」



直ぐに睡魔が遅い眠りに落ちるがそれもつかぬま。
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