WonderfulWorld

□WonderfulWorld 〜Interval〜
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窓の外はいつまでも、風が強く、大粒の雪が降り始めた。
何時も通りに時間になると飯を仕込み何時も通りに本を広げ、待ちつづけた。

 その日初めて言い付けを破り俺は小屋の外に出た、案の定だった。

『フラフラじゃないか
大丈夫なんかよ?
何時もと違う姿に俺は動揺した。

「大佐!!

目の前に見えるのは、杖にもたれかかりながら、何とか歩く大佐の姿。
俺を一目見ていきなりこれかよ!

「馬鹿野郎!何約束破って外に出てるんだ!!

「アンタ馬鹿かよ!!
こんなにもフラフラなのに
透かさず言い返してみたが、更に激しく反論される。

「また、体調崩したらどうするんだ?大変なんだぞ!
その台詞はグサリと俺の心に刺さりそんな気持ちで俺の事看病してたのかと、いたたまれない気持ちになって苦しくなった。

「そんなフラフラの身体で俺にそんなん言える立場かよ!!

俺はもう一度反論した。


肩を貸し何とか小屋に戻るなり、俺は頬を派手に叩かれ
その手が俺の身体に触れながら目の前で大佐はガクンと崩れ落ちた。


「ロイ!!しっかりしろ!ロイったら!!目を開けろって!!!
その相手を俺は無我夢中で名前で呼んでいた。

俺は何度も肩を叩いた……
助けなきゃ…
頭にスイッチが入る。


暖炉の前まで何とか引きずり服を緩め頭の下に畳んだタオルを入れた。


息はしてる。

俺は突然込み上げてくる、こぼれそうな涙をぐっとこらえ、軍の暗号通信ファイルを開き、一覧表を見、暗号コードを並べ信号を送った

お願い誰か誰か!!気がついて…

けど傍受はされません様に!!


********

「栄養失調と神経性過労…。
言わずと知れた診断結果だった。
軍医はテキパキと事を成し遂げ、俺に包みを渡しながら

「しっかり食事させてあげて

とだけ言うと、手を挙げてその場を去った。

さきほどに比べて随分と顔色が良くなっていくのが伺える。

一瞬目尻にシワが入るとアイツはやっと目を覚ました。
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