etc…World
□WHITEWall
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WHITEWall
オリヴィエミラアームストロングの場合。
あまりにも恥ずかしい記憶だからな、あまりにも自分が女々しくて嫌になるけど。
おっと、黙っとけよ。
特に、赤豆とロイマスタングには…
「しっかりしてください!
あまり暴れると傷が開きます………。
「寒い…、
アタシを棄てろ
改めて感じる初めて見た白い雪の恐怖。話では聞いていたけど。
ケガをしても寒さで感覚がない…。
血の溢れた制服に一瞬温かみを感じたが、それも風に晒されてスグに固まっていく。
何もかも白く。
雪の上に開かした華の跡さえも、スグに氷に変えていく。
これがブリッグスだ。
まだ私が任命されて間なし、今でも無茶をするが、すべてにおいて甘かったと思う。
口の中に、突然やけつく痛みが走ってめが覚めた。
気づけ薬にウォッカを軽く流し込まれた…。
毛布にくるまれたままアタシは顔を横に向けると無愛想な顔が覗き込んできた。
身体の自由がきかない事、話そうとしても声が出ない事。
なすがままにされていた。
軍人らしい、がっしりとした手が、器用に髪を束ね、血まみれの頬を温かいタオルでゴシゴシ拭ってくれる、大きな手のひらが背中に回ると、起こしてもらい、何とか水薬を口にした。
「むせないように
肩を支えられていると、大判のガーゼが瞼についた擦っかしょうとおでこのキリ傷を覆い、無造作に三角巾で縛られた
棒読みの言葉が耳を伝い、闇に堕ちる。
「女性なのに、お顔に傷をつけられて…傷が残らないと良いが…
誰も居らず突然恐怖にさいなまれる。
『誰かいないのか!!
言葉にならない思いだけが巡る。
『死ぬのか?
再び目を醒ますと、あの目がアタシを捉えていた。
身体が揺れ、冷気が顔をかすめた。
その目は、不思議な安堵を与え。真っ直ぐにアタシを見た
抱き抱えられいることは確かだった。
毛布ですっぽりと覆われ、たまに顔を見る為軽く捲られ、又覆われる。馬車の揺れが不思議と気持ち良く、又眠りに呼ばれては、頬をペチペチ叩かれた。
身体が持ち上がる感じが伝わると冷たいベッドに寝かされた。
カラカラ音がたち、床が軋む音が響く。