LOVE WARS 2nd
□再会…。
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小さなあのコを探すのは、容易な事ではなかった。何処の救護テントに運ばれたのかも解らない。
何よりも私の視覚では…、何も解らない。
それに個人的感情で身勝手な事をできない…。
口を何度濯いでみても何時までも口に残る感触。
あのコの血の味。
自分の感情とは裏腹に、あのコのおかげで展開され一気に進展した、攻防戦を思い出しゾクゾクと身震いがする。
戦地に長い事居すぎた、感情、思考が侵され歪んでゆくココロ。
頭の中から、あのコの事を消す為に…。
戦に集中する為に…。
「お疲れ様でした…。」
肩を叩かれ中尉に耳打ちされれば、鋼の行方。
「エドワード君が見つかりました。」
突然自分の頬に感じる温かい何かに、中尉が私の前に立ち、周りからの視界を遮った。
どれくらい揺られていたのか…、以外としっかりした設備のありそうな場所に連れて行かれ、中は沢山のベッドが並び、負傷兵達が手当てを受けていたり、眠っていた。
「大佐こちらです…」
衛生兵が女のコだと勘違いしての結果なのか、かえって有り難かった、簡素なカーテンで仕切られていたその横のベッドに捜していた、大切なコを…。
小さな、あのコ。
中尉に教えられらエドワードの状態を知る。
巻かれだけの包帯、汚れたままの顔…。
鋼のに触れた時にその感触に怒りを感じてしまう自分。
「中尉、なにも施されていないのか?」
「手が廻らないそうです。」
持っていたハンカチに水筒の水を含ませ、汚れた頬を左手の感触で拭い去る。
突然指先に触れる唇の感触…。
『……ろ…い?』
うっすらと開くまぶた。
指先の感触で確かめる。
掠れる声で一生懸命私を呼ぶ声。
指先に伝わる、カサカサの唇に濡らしたハンカチをそえればあまがみして離さない。
「水か?」
と、手のひらに書いてやると、弱々しいその手が握り返してきた。
私に出来る事はただ一つ。ベッドに座り込み背中に腕を差し込み身体をゆっくりを起す。
そっと腕の中に収めれば、水を口に含み、カサカサの鋼の唇に寄せ、ゆっくりと流しこんだ。
『もっと…』
合わせた唇が動き、求めれば、それを又繰り返す。
閉じゆく瞼、力が抜ける身体。
私はその身体を抱きしめ、頬を寄せた。