LOVE WARS 2nd
□戦場で…
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勝利の女神?
ひたすら眠かった。正体がばれてはいけないのに不覚にも眠りに落ちてしまった。近くには薪を焚かれ暖かかった。
日中はともかく、夜間になると一気に気温が下がる。
誰かが頭の下に丸めたタオルを入れ、ぶ厚い毛布をオレに被せ、近くには護衛が微妙な距離を取って立っていた。
喉の乾きと日の光で目を覚ませば、憲兵の一人がオレに、紅茶とサンドイッチを持って傍に寄ってきた。
「おはようございます、朝食の配給ですどうぞ。」
『ありがとう』
首からぶら下げている手帳に書きこみ相手に見せた。
ブリキのカップになみなみと紅茶が入っており、一口飲むと、甘さが身体にしみた。
旨い。
紙に包まれたサンドイッチを解けば、中から以外にも豪勢なチーズとハムのサンドイッチだった。
ふと、トランクの事を思い出して、血の気が引いたが先程、サンドイッチを届けてくれた憲兵が、持ってきた。
「中身は見てませんから。ご安心ください。」
オレは思いっきり笑顔を見せつけてやった。
その後、一人になれる場所を提供してほしいと頼み、テントを借りた。
ブラウスを着替えて、髪を梳きリボンをかけ直す。軽くメイクをして、チョーカーもつけなおす。
軍の人から渡された、サンドカラーのフードの着いたポンチョを被る。
ふと、鞄から着ている服とは全然似合わないウエストはポーチを取りだすと、なくしたくない物を詰め、腰につけなおした。
軍から、もう少し行動を共にしないかと、突然スカウトをうける。
けども、オレ(私は)は捜している奴がいるからと言って断り、歩き始めた。
そして歩いて間もなく…
さっきいた場所からなんて、ほんの少しなのに、なのに、金属で出来た左足が何かを感じた。
左足で良かったのかも知れない。
オレは振り向いて手帳に一言書きなぐると後ろをおっかけにきた憲兵に投げつけた。その視線の先には、オレが何者かと見に来た男達が車から降りて来て走り寄って来たが、オレは必死の形相と、腹の底から出ないはずの声を絞り出した。
「来るな!!逃げろ!!」
複数の男達の影に懐かしい姿を見た。
中尉に、寄り添われていて、何でアイツ一人で歩けないのか?不思議に感じたが、そんなことよりか自分に近づいてくる人達を排除したかった。
頼むから、
オレのそばから離れてくれ!!
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