LOVE WARS 2nd
□ありがとう。
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「行かせたくないな…。」
俺は無垢な笑顔を見せるエドワードの診察を行っていた。
「マスタングに止められては、いるんだけどな…。」
約束、守れないな〜。
「但し無茶するな、お前さんの事だから、言っても、言う事聞かないだろうけどもな。」
『大丈夫だよ無茶しねーよ。』
掠れた小さな声だったが、俺の呼びかけに対し、いい返事をしてきた。
「読唇術も慣れたもんだな。」
『殆どわかる。』
耳に触れ、顎からリンパ腺に向かって触診を行う。
「大丈夫そうだな。綺麗に腫れも引いてるな。後、胸の音も聴かせてくれるか?横になって。」
言われた通りに横になってくれて素直に心音を確認させてくれた。まだまだ気になる所もあるが…これなら大丈夫だろうと…。
「よし、許可出すか。ちゃんと薬も飲めよ。
わかったな?」
『めんどくせーけども、仕方なしに飲んでやるよ』
「いい返事だ。」
思わず俺はエドワードの頭に触れた。
「声まで出にくくなってきているのか?仕方ないコだな。
でもな、今日なんか解ったよ。マスタングが以前に比べていい顔になった理由がな。
、お前さん、いい笑顔をするんだな。」
そしてエドワードは、何とも言えない笑顔をこんな俺にも見せてきた。
『何バカ言ってんの?』
「後、目は霞んだり、痛みを伴ってたりしないか?正直に言え。」
『あんたも心配性だな…しっかり見えてるよ、目だけは大丈夫だ…。』
綺麗な黄金色の瞳が俺をしっかり捕らえていた。
「じゃ、渡すもんだ、使い方も全部知ってるな?」
『何を今更。』
「しっかり飯も喰えよ。」
『了解しました。』
「よし、行ってよし!!」
『ありがとよ、先生。』
「もう、さっさと行け…。」
エドワードが部屋を出ると窓を開放して、煙草に火をつけた、元気そうな後ろ姿が髪につけた、ふわふわのリボンを揺らす。
「確かにアレじゃ誰かわからんな…」
オレはやっと、ノックスドクターの許可を得て外出にこぎつけた。
置いて行かれたショックも大きかったけども、逆に充電期間として考えた。
逆に軍から離れた方が行動しやすいをじゃないかと…。軍の規律に従う必要はないから、逆に動きやすいじゃないのか、規律のせいで動きにくいこともあるだろう。がんじがらめにされるよりか、やっぱりオレには、こっちの方が向いていると…。
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