LOVE WARS 2nd

□戦場へ
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 久しぶりの出会いから、少し立って、その後の事。
アルに救われた命。
粗末にしちゃいけないけれども、オレ達は、まだまだやらないといけない。




 夜の奇襲は、嫌じゃない。

見えない。
聴こえない。

そんなハンディ何か気にしなくていい。

思うがままに、動けばいい。
信じてるアイツは、俺の背中に居る。


アイツの腕を自分の肩に乗せ、その手を握りしめ焦点を絞り、合図を送ればいい。

その度に、指先から硝煙に似た臭いが鼻を掠める。


「鋼の…遠慮何か要らない。」

「馬鹿言うなよ、オレの髪がチリチリになる。」



アイツの腕を引っ張り駆け出す。

『大佐!2時の方向!!』手の平で唇が動く。

それと同時に指先を擦り合わせると、爆煙が上がる。
『Nice…』

 ヘッドセットからの通信にノイズが混じり、私は、一瞬顔を歪めた。

 手加減のきかない鋼の力。その破壊力故に、空間が歪み、ふと大地が軋む。

焔と煙、破壊と崩落と砂塵

突風の吹き荒れる不法地帯

朱く焼け墜ちる世界


 一気に、乱された気流と熱で大気が歪み。大粒の雨が、立ち尽くす私達を濡らしていく。

荒々しい息が私の耳に届く。

「大丈夫じゃないな鋼の…。」
オレは、アイツの唇を読んだ。
左の手の平に答えてやる。『心配御無用』と、

ノイズに混じり、ヘッドセットに聞き慣れた女性の声が響く。
「大佐、聞こえますか?応答願います…。」

「あぁ、私だ。迎えが来ているのか?」

慣れた声が返してくる。

「直ぐに参ります。」


 二人で立ち尽くしていると、土砂降りの雨の中から、大型の軍用車と衛生兵が姿を現す。

何も言わずに、私達にブランケットを被せると、身体を支えられたまま、車に乗せられた。


変に興奮していて、震えが止まらない。その震えを察知してか、あの子が私の手を握りしめてくる。


突然車が止まり、降りる様に言われると、エドが私の腕を引っ張り何処かの建物の中だろうか?引っ張る方向へ進んだ。



泥臭い軍服と、色の変わったドレスを脱ぎ捨て、シャワールームに篭った。

手探りでエドの長い髪を洗い、あの子は私の背中を流した。


誰が用意したのか、多分、仲間達か?

着替えると、用意されていたベッドの中に二人して倒れ込んだ。



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